松山英樹が2021年大会以来、2着目のグリーンジャケットに袖を通せるかに注目が集まる今年のマスターズ(4月11~14日、米国ジョージア州オーガスタナショナルGC)。しかし日本のゴルフ関係者にはもう一つ、注目をすべき大事なテーマがある。
それは3月19日に誕生した日本ゴルフツアー機構(JGTO)新会長が各国の代表者にアプローチをする「トップセールス」。8年続いた青木功体制の後を受けて新会長に就任した諸星裕(もろほし・ゆたか)氏(77歳)がすでに現地に乗り込んでいる。
「JGTOが今、世界の中でどのぐらいの発言権を持っているのかが分からないので、とりあえずはオーガスタから2週間ぐらいですか。(世界から)いろんな人たちが集まると思いますので、そこに乗り込んでいって、まずジェイ・モナハン(米PGAツアーコミッショナー)さんとお話をし、もう1回すべてやり直すんです」と、諸星新会長は最初の大仕事のプランを明かしている。
渡米前、「基本的には(在住が長いため)僕も半分アメリカ人ですし、久しぶりに会ってもワイワイやれて、ノリはいいんじゃないか、と思います。だから強いもの(関係)を構築し直す部分がある。それがないと本当にダメだと思っているんで」と、力強く話した。
ICU(国際基督教大)卒。大学の構内にあったICUゴルフコース(現在は東京都三鷹市の野川公園)でゴルフを覚えた。ブリガムヤング大(米国ユタ州)で修士課程を修了し、カナダのトロント刑務所での管理職時代にはゴルフに没頭。「半年でシングルになった」という。
1975年にユタ州立大で博士号を取得。翌年のモントリオール五輪では国際交渉役を務めた。1999年のJGTO発足時から副会長職などを14年間に渡り務め、運営に尽力した際にも国際担当として人脈を築いた。
さらに、「環太平洋ゴルフサミット」の構想も明かしている。「日本からインド、オーストラリアまで合わせると、世界の人口の3分の1になる」と、太平洋を取り巻く国々と、強固な関係性を築いていくことを目標の一つに挙げている。
副会長には倉本昌弘が就任し、諸星新会長を支えていくことを確約。どん底まで落ちたJGTOを再浮上させるプロジェクトがいよいよ今週、マスターズの裏舞台でスタートする。
(文/日本ゴルフジャーナリスト協会会長・小川朗)
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