
<HSBC女子世界選手権 3日目◇2日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
最後まで決して集中力を切らさない。この日の18番はバンカー越えすぐの位置にピンが切られ、エッジからは緩やかに下っている。こんな難セッティングのなか、畑岡奈紗は残り139ヤードから8番アイアンでグリーンエッジギリギリに落とし、左3メートルにつけた。
「ピンにキャリーさせるつもりで打っていた。風が思ったより当たって、ギリギリでラフを越えたけれど、うまく止まってくれた。つま先下がりのライで右からアゲインストの風で難しさはあったけれど、うまくピンに打ててよかった」
1バーディ・1ボギーで迎えた後半は、ショットの「縦距離」がなかなか合わなかったという。チャンスにつけられなくても「3パットはしないように」とパーをセーブし続け、ピン下2メートルにつけた14番、そして18番でバーディを奪った。
獲れなかった後半2つのパー5や、ここまでの3日間すべてボギーとしている高難易度の3番パー4など悔やむところもある。それでも単独首位に立つ古江彩佳との差は4打。「(最後まで)ガマンできてよかった」。射程圏内だ。
「午前中からしっかり伸ばして、ビッグスコアを出せるように頑張りたい」。ホールアウト後はファン対応を終えると練習グリーンへ直行。2022年4月「DIOインプラントLAオープン」以来、増やすことができていない優勝カウントを『7』にしてみせる。(文・笠井あかり)