
<HSBC女子世界選手権 3日目◇2日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
スコアを伸ばし、浮上するムービングデーにできた。27位タイで3日目を迎えた西村優菜は5バーディ・2ボギーの「69」で回り、トータル3アンダーの17位タイにつけた。
一歩後退し「すごく悔しいラウンド」と振り返った前日を払しょくするかのように、序盤から攻めていった。この日難易度が最も高かった3番パー4でピンそば1メートルほどにつけてバーディ奪取。そしてティイングエリアが前に出た4番パー3、5番パー5と3連続で“加点”した。
「ショートアイアンで打てて、そこでしっかり獲れたのでよかった」と序盤からいい流れでスタート。7番でボギーが来ても、8番パー5ですぐさま獲り返す。
ただ、後半に入ると停滞。それでも11番のボギーを2度目のバウンスバックで帳消しにした12番については「ポジティブに捉えられるポイント。メンタルコントロールがうまくできた証拠かな。うれしかった」と振り返る。その後はパーを並べ続けることになったが、それでも「前半に獲っておかないと後半のほうが難しい。そこまで欲はなかったですね」と、60台でまとめたことには及第点も与えられる。
とはいえ、スコアよりもこの日一番気がかりなことはやはりショットのこと。「自信を持てていないところ、景色負けしてしまっているホールがあった。どこか体の中で迷いがあって振り切れなかった」。結果、パーで切り抜けてはいるものの、納得のできるショットが打てなかったことが悔しい。
リーダーボードの一番上にいる“Ayaka Furue”の文字も目に入っていた。「自分も追いかけたい、っていう気持ちはあるけれどそこを捉えすぎると自分のプレーに集中できないかなと思った。でももちろんボードは見ていて『わ、すごいな(笑)』と思いながらラウンドしていました」。4つ伸ばす古江彩佳を気にしつつも、西村は自分のプレーに集中しながら淡々と3アンダー。最終日は上だけを見ていく。
単独首位に立つ古江との差は7打で、トップ10のボーダーラインとは2打。「最終日に一番いいラウンドがしたい。修正しないといけないポイントは明確なので、練習して、思い切ってラウンドしたい」。週末からはスポンサー契約を結ぶ住友生命保険相互会社が応援団に加わり、声援もさらに増した。そのエールを力に、最終日の大爆発を目指す。(文・笠井あかり)