
<HSBC女子世界選手権 3日目◇2日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
首位との1打差は連続バーディ発進で華麗に追い抜き、そこから快走した。古江彩佳は5バーディ・1ボギーの「68」をマークし後続に2打差をつけ、単独首位で最終日へ。逃げ切り態勢を整えた。
セリーヌ・ビュティエ(フランス)、マデリーン・サグストロム(スウェーデン)との最終組でティオフ。1番は手前2メートル、2番は奥2.5メートルにつけた。「ショットが良くて寄せられて、パッティングもしっかり決められたのはよかった」と連続バーディを奪う。
そこから「いいリズムで行けた」と会心のプレーが続く。5番パー5では「奥まで突っ込み切れない位置だと思うけどうまく寄せられた」と3打目をピンそばにつけてタップイン。打ち下ろしの7番パー3では10メートルを流し込む。ここで後続とは4打差がついた。
それでも、後半に入るとピンチが。10番ではティショットを右に、11番では左へと曲げたが、なんとかナイスパーセーブで切り抜ける。12番では2打目が不運にも木に当たり、3オン2パットの「やってはいけない」ボギー。それでもボールを替えて気分転換をしながら、「あまり探ることはできなかったので、信じるしかない」とドライバーの感覚を取り戻し、13番パー5でバウンスバックに成功する。
終盤には激しいスコールが降ったが、一気に水を含んだグリーンに対応するアプローチを見せるなどパーを重ねていく。「いまのスコアを維持するというのが一番大事」。難コンディションに耐えながら、そして堂々としたプレーとともに、単独首位でクラブハウスに戻ってきた。
2022年の「ポートランドクラシック」では首位タイで最終日を迎えているが、“単独”首位となれば米国で初めてのこと。最終日最終組は今季開幕戦「ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」以来、自身3度目となる。
昨季はトップ10入りが8回。今季はこれが4試合目で4位が2回。勝利まであと一歩の状態が続いてるなか、最高の位置で残り18ホールに入る。「悔いが残らないように、上を目指していけるように。スコアを意識せずにショットに集中したい」。2年ぶりの優勝、米2勝目はもう目の前だ。(文・笠井あかり)