
<HSBC女子世界選手権 初日◇29日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
出だしの1番を手前1.5メートルのチャンスにつけたが、続くバーディパットはカップの左を抜けた。「グリーンの色が白く見える。反射してラインも読みづらくて、速く見えてしまうから打ちづらい」。砂も少し混じっているようなバミューダ芝の見た目にやられて打ち切れず、稲見萌寧はそこに対応することもできなかった。
流れが悪くなったかのように、先に来たのはグリーン手前の深いラフからのアプローチがグリーンに乗らず、そこから寄せワンでしのいだ3番のボギー。5番で戻しても、6番ボギー、7番ダブルボギーと後退していった。
実測203ヤードだった打ち下ろしの7番パー3は、ピンが左奥に切られていた。そして、ユーティリティでのティショットが左奥のバンカーにつかまる。ショートサイドで「硬くて、高さもあってどうしようもない」ライから“出すこと”を考えたショットはグリーンをオーバー。3打目のアプローチもスピンが入りすぎて5メートルほどショートと、悔やむ場面でもある。
フェアウェイキープが14ホール中11回でまずまずといえるなか、パーオンしたのは11回だった。「ちょっとミスしたら、ミスの場所がすごく悪かったりというのがあった。パーがボギーのゴルフみたいになった」。9番でバーディを奪って折り返すも、後半に2ボギー。4オーバー・53位タイと出遅れた。
開幕前に話していたアドレス時の気持ち悪さは消えることなく、決して調子が良いとは言えない。「いろいろ悩んだりもしたけれど、この体のコンディションでうまくやらなければいけない。“こっちを意識してこのミスはしょうがない”という話し合いをしてやった。その中ではそこまでショットは悪くなかったと思う」。いまの状態でできる最善は尽くしているはず。次はその状態を上げていく必要がある。
なんとかスコアをまとめようとしのいでプレーしていたが「ちょこちょこ耐えていてこんな感じだったので、少しきつかった」と振り返る一日になった。巻き返しのためにも、ショットの感覚、32パットだったグリーン上の読みを修正することが大事になってくる。
フロリダ連戦から1カ月ほど空いて迎えたこの大会が自身3試合目。「初日があまり良くない。早くアジャストして最初からいいプレーができるように頑張りたい」と、首位との8打差を残念がる。それでも前戦の「LPGAドライブオン選手権」では初日35位(6打差)から8位フィニッシュ。「明日は耐えながら一つでも伸ばせるように」。シンガポールでも修正力を光らせたい。(文・笠井あかり)