
<HSBC女子世界選手権 事前情報◇28日◇セントーサGC(シンガポール)◇6775ヤード・パー72>
劇的なドラマが生まれるかもしれない。最終18番パー4に大きく深いフェアウェイバンカーが新設。これによって難易度が増しそうだ。
一番後ろのティイングエリアから距離は419ヤード。昨年大会では3日目を除いて平均スコアはアンダーで、4日間を通しては『4.019』。難易度は11番目だった。
フェアウェイは右から左に緩やかに傾斜して、グリーン右手前に深いバンカーがあることを踏まえても、フェアウェイ左サイドに置いてピンを狙うというのがこれまでのスタイルだった。しかし、その左サイドで、ティイングエリアから215ヤードの地点にフェアウェイをえぐるようにバンカーが出現。超えるには267ヤードが必要なことから、多くの選手にとって“ちょうどいいところ”にある厄介な存在といえる。
昨年の最終日に18番で”土砂降りバーディ”を奪った古江彩佳は「一番びっくりした」と変化に驚いた。距離が短くなく風が吹けばアゲンストになる傾向があり、さらにドローヒッターにとっては「きついホール」と難易度が増す。もしつかまればレイアップをするか、できるだけグリーンに近づけるか…と選択が必要になってくるという。
畑岡奈紗も「前のティからだとあまり気にしなくていいけれど、後ろのティのときはちょうどランディングエリアのところが狭くなっている。そこを気を付けないといけないと」と警戒。ティショットの精度がカギになりそうだ。
2018年に「アジア女子アマ」で出場して以来このコースを回る稲見萌寧は「こんな感じだったっけ(と思った)」と振り返りながら、そのとき笹生優花に3番ウッドでアウトドライブされたエピソードを思い出しながら笑った。「(バンカーは)気になる。距離が長いのでバンカーに入ると長いクラブで2打目を狙わないといけないので余計に難しい」と話す。
一方で笹生は、「あまり気にならない」とさっぱり。今季のドライビングディスタンスが273ヤードで10位につけている飛ばし屋にとってはさほど気にならないようだ。
昨季4勝を挙げてメジャー覇者にもなったセリーヌ・ビュティエ(フランス)も「確かに難しくなっていると思う。フェアウェイは狭くなるし、特に右奥のピンの時はトリッキーになる」と話した。日本勢、そして世界のトップランカーがどのように攻略していくのか。最終ホールまで気が抜けない戦いになりそうだ。