オフには身体だけでなく心も整え直すのが大切【原田香里のゴルフ未来会議】

ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。一足先に開幕した米国ツアーを気にしつつ、日本ツアーの開幕に備えてトレーニングや練習に励む選手たちの様子を、SNSなどで見ながらいろいろと考えてみました。
新型コロナウイルスが5類になったこともあり、今年はだいぶ海外に出る選手が増えたなぁという印象ですが、みなさんそれぞれのスタイルでオフシーズンを過ごしています。

何度もお話ししていますが、日本の女子ツアーは2月末から11月末までの9カ月間がシーズン。オフは3カ月しかありません。その3か月も、スポンサーさんへの挨拶やその仕事、JLPGAアワードのような表彰式、祝勝会、パーティ、取材や撮影など試合以外の仕事があります。

人気選手であればあるほど、スポンサーさんも多いし、お付き合いもあります。取材や撮影のオファーもたくさんあるので、より多忙になります。クラブやボールの試打、ウェアの採寸など、オフの間にしなくてはならないことは他にもたくさんあり、ゆっくりできる時間は、想像以上に少ないのです。 そんななかでも、友達と食事をしたり、旅行に行ったり、家族とお正月を過ごしたりとオフにしかできない時間を過ごし、選手たちは英気を養っています。

シーズン終盤には、次への課題を自覚している場合がたくさんあります。データをみながら改めてコーチやトレーナーなど”チーム“のみんなと話し合う選手もいれば、自分の頭の中でオフのプランを立てている選手など色々ですが、それに沿ってしっかりと準備を始めます。

始動の時期は、12月のひともいれば、お正月明けのひともいてそれぞれです。身体づくりのために海外や沖縄などの暖かいところに行く場合もあれば、地元でじっくりと取り組むひともいます。例年通りの過ごし方を続ける場合もあれば、何かを変えたいと思って新しい方法を試すケースもあります。

私の現役時代は、12月中は基本的に仕事以外でクラブを握らず、完全に体をリセットする時間にしていました。ゴルフというのは体の動きが偏ったスポーツです。9カ月間、そればかりを続けているので、身体本来のバランスをできる限り戻したいと考えていたからです。 トレーニングについてはシーズン中も続けていたので、それを続けつつ、年明け早々に本格的に始動。短いクラブから練習を始め、しばらくはアイアンしか打ちません。この頃にはもう、頭の中はゴルフのことばかりになります。

長いシーズンの間、ゴルフのことばかり考えていると、頭の中がいっぱいいっぱいになりがちです。身体だけでなく、心もリセットすることで、新たにゴルフへの強い気持ちを持つことができたのです。

そのあたりは人によってちがうと思いますが、オフシーズンには身体だけでなく心もしっかりと整えることが、長いシーズンを戦うためにはとても大切です。プロ生活のなかで、そのことを自ら感じ取って、誰もが自分のスタイルを作っていくのです。みなさまの前でいいプレーをするため、そして何より自分自身いい人生のための時間を、いま選手たちは過ごしています。

■原田香里(はらだ・かおり)
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部で腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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