勝負の半年へ…クールな古江彩佳がにじませたパリ五輪への決意 「東京五輪は悔しかった」

<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 事前情報◇17日◇レイクノナG&CC(フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>

昨年に続き、フロリダで行われる開幕戦から新たなシーズンが始まる。「(年末は)お仕事もしながら練習をして、バタバタしていました。何日も連続でゴルフができないこともあったけど、できるだけ練習に行けるときには行って。自分の時間も作りながら、うまくできたかな」。米国で3年目のシーズンを迎える古江彩佳は、すっかり短いオフにも慣れたようだ。
現在の状態について問われると、「ボチボチ…かな?」とおなじみの言葉が返ってくる。わずかなオフだが、昨シーズンを戦うなかで生じていたズレを基礎練習で修正するなど実りあるものになった。「まずは気楽に回りたい。リラックスしつつ、調子も確かめながらできればいいですね」。気負いもない。

スイングの見直しだけではなく、この冬にはしっかりとクラブもチェック。そのなかでドライバーの変更を決めた。

契約するブリヂストンの『B3 MAX』を携え渡米。「前のドライバー(B3 SD)も気に入ってたけど、(弾道が)高くなってランがでづらくなってしまって。それを抑えたいと思った時に、『いいのがあるよ』と言われたので試したら、ちょうどいい弾道で飛んでくれました。特性上ランもでるし、うまく切り替えられました」と手ごたえ良好といえる。

スコットランドで米ツアー初優勝を挙げたのが2022年7月末。昨季は何度か優勝争いに食い込んだが、通算2勝目には手が届かなかった。今大会は過去2年間の優勝者のみが出られる大会とあって、古江にとっても「特別」と感じられるもの。「今回出られるのは2年前の優勝のおかげ。来年も戻ってくることができるよう(今季中に)優勝しないと」と、どこかで出場権を“更新”する必要がでてくる。

そんな古江の言葉に、ひときわ力がこもった瞬間があった。「パリ五輪に向けても世界ランクをあげないといけない」。東京五輪出場権争いの渦中にいた時は、『頑張れば(代表入りは)後からついてくる』という考えだったが、今回は明確に決意をにじませる。

クールなプレーぶりで知られる古江だが、「振り返ってみると、東京五輪は悔しかった。そう考えるのは、出たかったから。それならだまっているより“出たい”という意識を出そうと思って口にしています」と目の色を変えている。

ゴルフの代表になるためには、原則、世界ランクを基にした五輪ゴルフランキングの各国上位2名に入ることが必要。女子は6月24日がそのリミットになる。現時点で古江は畑岡奈紗、山下美夢有に続く日本勢3番手。五輪への思いをむき出しにして“有言実行”の逆転劇を演じるつもりだ。

そして勝利こそ、パリへの大きな近道になる。「それまでに優勝を1つでもしたいと思います」と、ここからを勝負の半年に位置付けている。1月のフロリダ2連戦を終えると、2月15日開幕の欧州女子ツアー「アラムコ・サウジレディスインターナショナル Presented By PIF」にもエントリー。そこからタイ、シンガポール、中国と4連戦に挑んでいく。「(サウジアラビアは)そこで頑張れば少しでもポイントが上がるかな」。今まで以上に、強い気持ちで優勝を狙うシーズンが始まる。(文・間宮輝憲)

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