
年末年始の怒涛の日々を過ごしているプレミアリーグ。今季はトッテナムやアストン・ヴィラなどの躍進で優勝争いが混沌と化しており、例年にないほど盛り上がっている。
そんなプレミアリーグの「シーズン前半戦のベストイレブン」を現地解説者たちが選出しているので見てみよう。英放送局『Sky Sports』の『Soccer Saturday』という番組に出演しているポール・マーソン氏(元アーセナル)、ティム・シャーウッド氏(元ブラックバーン)、クリントン・モリソン氏(元クリスタル・パレス)、マイケル・ドーソン氏(元トッテナム)といった解説者たちが自分のベストイレブンを持ち合い、最終的に番組内で11名を選出したので紹介しよう。
■GK:グリエルモ・ヴィカーリオ(トッテナム)
前半戦のベストキーパーに選ばれたのは、今夏エンポリから加入したトッテナムのイタリア代表GKグリエルモ・ヴィカーリオ(27歳)だ。アンジェ・ポステコグルー体制の最初の補強となったヴィカーリオは、スパーズの高いラインの背後をカバーするスイーパーであり、ピンチになれば驚異的な反射神経でシュートを止める名手だ。
今回の番組に出演した5名の解説者のうち4名がヴィカーリオを選択。唯一、他のGKを選んだのはトッテナムの元監督であるシャーウッドだ。同氏はアストン・ヴィラのアルゼンチン代表GKエミリアーノ・マルティネスを選び、その理由について「マルティネスは正しいと思うことを自分で判断できる。監督の指示が間違っていると思えば、それに従わないだろうね」と説明した。とはいえ、多数決で前半のベストキーパーはヴィカーリオに決定した。
■SB:トレント・アレクサンダー・アーノルド(リヴァプール)、デスティニー・ウドジェ(トッテナム)
右サイドバックはリヴァプールのイングランド代表DFトレント・アレクサンダー・アーノルド(25歳)だ。シーズン序盤こそ怪我もあったが、その後は4シーズンぶりのリーグ優勝を目指すチームで攻守ともに貢献。今月23日のアーセナルとの首位攻防戦では、先制されて迎えた29分に、敵DFラインの背後のスペースにロングパス。それをエースのモハメド・サラーが拾い、そのまま切れ込んで同点ゴールを決めた。正確無比の右足から繰り出す一本のパスで局面を打開できる稀有な存在だ。
左サイドバックはトッテナムのDFデスティニー・ウドジェ(21歳)。抜群の身体能力を誇るレフティは、プレミア1年目ながら抜群の存在感を見せている。“アンジェ・ボール”に必要な走力を持ち、11月のチェルシー戦で退場になったとはいえ、アグレッシブな守備で敵ウィンガーを封じている。
■CB:フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)、ウィリアン・サリバ(アーセナル)
2名のセンターバックには、リヴァプールのオランダ代表DFフィルジル・ファン・ダイク(32歳)とアーセナルのフランス代表DFウィリアン・サリバ(22歳)が選ばれた。もちろん、その他にも活躍しているセンターバックはおり、元アーセナルのマーソン氏はトッテナムのアルゼンチン代表DFクリスティアン・ロメロの名前を出した。
その一方で、同じトッテナムのオランダ代表DFミッキー・ファン・デ・フェン(22歳)を推す声もあったが、ここで問題発生。元パレスのクリントン・モリソン氏の人選が混乱を招いたのだ。司会者が「あなたもファン・デ・フェンを選んだね」と言うと「選んでないよ」とモリソン氏は否定。でも「VDV(ファン・デ・フェン)と書いてあるよ」と司会者が確認を取ると、モリソン氏はVDVではなく「フィルジル・ファン・ダイクさ。VVDでしょ!」と説明した。
どうやら、フルネームではなく頭文字で書いたせいで「VDV(van de Ven)」と「VVD(Virgil van Dijk)」の勘違いあったようなのだ! 結局、モリソン氏はファン・ダイクとサリバを選んで、その2名が前半のベストセンターバックに選ばれた。
■MF:デクラン・ライス(アーセナル)、ドウグラス・ルイス(アストンヴィラ)、ドミニク・ソボスライ(リヴァプール)
「4-3-3」の中盤の最初の一人は、満場一致でアーセナルのイングランド代表MFデクラン・ライス(24歳)が選ばれた。さらに元アーセナルのマーソン氏と元イングランド女子代表のスー・スミス氏は、ヴィラのMFジョン・マッギンとシティのMFベルナルド・シウヴァも選出した。
一方で元トッテナムのドーソン氏は「ヴィラでセットプレーのキッカーを任され、クリエイティブを発揮している」として、アストンヴィラのブラジル代表MFドウグラス・ルイス(25歳)を選出。それから日本代表MF遠藤航のチームメイトであるリヴァプールのハンガリー代表MFドミニク・ソボスライ(23歳)も選んだ。かなり議論はヒートアップしたが、最終的には多数決でライス、ドウグラス・ルイス、ソボスライの3名に決定した。
■FW:ソン・フンミン(トッテナム)、モハメド・サラー(リヴァプール)、アーリング・ハーランド(マンチェスター・C)
シャーウッド氏は「世界中の誰が選んでも彼は入るべき」として古巣トッテナムの韓国代表FWソン・フンミン(31歳)を激推し。これには他の解説者たちも賛同し、退団したFWハリー・ケインの穴を埋めているスパーズの主将が選出された。
また、ドーソン氏は「シティはアーリング・ハーランドを必要としている。FWフリアン・アルバレスもいるが、ゴール数を考えると彼が不在なのは大きな痛手になる」としてノルウェーの怪物を選出した。そして、リヴァプールの絶対的エースとしてチームをけん引するエジプト代表FWモハメド・サラー(31歳)も選出され、これで前半戦のベストイレブンが完成した。
当然、惜しくも漏れた選手がいる。「ブカヨ・サカは惜しかったね」とマーソン氏が古巣アーセナルで活躍するウィンガーの名前を出せば、ドーソン氏はハル・シティ時代のチームメイトであり、今季ウェストハムでプレミア11ゴールを決めているジャロッド・ボーウェンの名前を出した。「番組プロデューサーに3バックは禁止と言われたので・・・」と、3バックのシステムならばボーウェンをねじ込む予定だったことを明かした。
いずれにせよ、現地の解説者5名が選んだ前半戦のベストイレブンはかなり豪華なメンバーとなった。
皆さんも、前半戦のベストイレブンを選出しながら、プレミアリーグの後半戦に注目してみてはいかがだろうか。
(記事/Footmedia)