
17日、世界ゴルフ殿堂はNBAのスーパースター、ステフィン・カリー(米国)が今年のチャーリー・シフォード賞を受賞したと発表した。1961年、人種差別が根強かった時代に初の黒人ゴルファーとしてPGAツアーのメンバーとなったチャーリー・シフォード(米国)。その不屈の精神と功績を称え2021年に“チャーリー・シフォード賞”が創設された。同賞はシフォードの精神を受け継いだ個人に送られる。
35歳のカリーはNBAのゴールデンステート・ウォリアーズでスター選手として活躍する一方でゴルフもPGAツアーに出場するほどの腕前として知られている。カリーは2年前に「アンダーレーティッド・ゴルフ」を創設し、同地域での高校生アスリートがゴルフをプレーできる機会を生み出した。またワシントンDCのハワード大学のゴルフ部創設にも尽力。1867年に開校した同大学は全米屈指の名門で、歴史的に黒人の大学として知られており、まだアフリカ系米国人が“アイビーリーグ”に入学できなかったために創設され『黒人のハーバード』とも呼ばれた。現在は人種を問わず入学できるが、現副大統領のカラマ・ハリスの出身校でもある。
しかしながら同大学にはゴルフ部がなかったがカリーがその創設に奔走、現在はNCAAのディビジョン1で戦うチームとなった。
「このチャーリー・シフォード賞に選出されたことを、とても光栄に思う。ゴルフにものすごく情熱を感じている者として、世界殿堂に認められたことが喜ばしい」とカリー。「もっとたくさんの人々がゴルフに触れる機会を持つことで、もっとゴルフが発展すると信じている」とコメントした。
授賞式は2024年6月10日、「全米オープン」週の月曜日、開催コースのパインハーストGC(米ノースカロライナ州)で、世界ゴルフ殿堂の式典で行われる。(文・武川玲子=米国在住)