
<富士通レディース 2日目◇13日◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6697ヤード・パー72>
初日「66」、2日目「67」と好スコアをマークし、トータル11アンダーの2位タイにつけた岩井千怜。「バーディをたくさん獲れたのはプラスになったかな」と内容のいいゴルフができたと話すも、「最後のパーパットを沈められなかったので悔しい1日になりました」と、ボギー締めには表情が曇った。
首位タイでティオフした2日目も、1番からバーディを奪うなど着実に伸ばし、トータル12アンダーで最終ホールを迎えた。ティショットは完ぺき。フェアウェイをとらえたものの、「セカンドでショートして、3打目が3ヤードくらいカップをオーバーしてしまいました」と微妙な距離を残してしまった。
その3打目の残りの距離は「11ヤードくらい。少しボールを上げないと止まらない状況だったので、リスクのあった狙い方でした」と、傾斜があったことで手前は使えず、58度のウェッジを開くしか道はなかった。そこまでは際どい距離を「入れて耐えていましたけど…」、どちらに切れるか分かりにくいピンポジションに惑わされ、痛恨のボギー。「心残りです」と唇を噛んだ。
岩井がここまで悔しがるのは、最終日の天気を把握していたからこそ。朝から1時間に5ミリほどの雨が降り続き、10時頃には10ミリ以上が降るという荒天予報。午後には雨雲が抜ける予定だが、状況次第では36ホールの短縮競技となり、この日の結果がそのまま反映される可能性がある。
もし、雨の影響で最終日の競技がキャンセルとなったとして、最終ホールでチップインバーディを獲っていたら単独首位で今季3勝目、パーでしのげていれば同スコアの櫻井心那とのプレーオフとなっているはずだった。
しかし、ゴルフにタラレバはない。それを十分に分かっているからこそ、岩井の表情は後悔の念に駆られていた。練習場で何度も最終ホールと似たシチュエーションのアプローチをしている姿に、次こそ勝利をつかむという強い思いを感じた。(文・杉本夏希)