
<ウォルマートNWアーカンソー選手権 事前情報◇27日◇ピナクルCC(アーカンソー州)◇6438ヤード・パー71>
昨年大会では最終日最終組で首位を1打差で追った笹生優花だったが、強く吹いた風に翻弄されて「76」と大きく崩れた。結果は32位タイ。悔しさが残るあの時を1年ぶりに振り返ってみても、悪い言葉は思い浮かばない。「うーん…。でもそういうものでしょう? そういうときもある」。いつだって冷静な姿は笹生らしい。
とはいえ、21年大会では土日に「65」を叩き出して4位タイに食い込んでもいる。そこに対しても一喜一憂はしていないが、「いい思い出のある試合」とイメージは悪くない。「サービスも良いし、コースもきれいだし、広い。ウォルマートも近くにあるし!(笑)」。今大会の開催地、アーカンソー州ロジャースはスーパーマーケット“ウォルマート”のお膝元。街の至る所に店舗が構えられ、世界一美しいともいわれる第一号店はコースのすぐそばにある。
米国では珍しい3日間大会。それでも「3日間だから気を付ける、ということはないかな」と取り組むスタンスはいつもと変わらない。3度目の出場となるが、コースについても「コンディションによっては長く感じる日も短く感じる日もある、いろいろと楽しいゴルフ場だと思う。例年、バーディ合戦となるなか、笹生の持ち味でもある“爆発力”は大きな武器にもなるはずだ。
米女子ツアーは終盤戦へと入ったが、今週を終えると、笹生は日本に一時帰国。スポンサー契約を結ぶ“HONDA”が冠の日本ツアー「スタンレーレディスホンダゴルフトーナメント」に出場する。「自分が出たいという気持ちで出場を決めた。久しぶりに日本にも帰れるし」と、3月以来、今季2試合目になる予定。帰国前にいい結果を残してアジアシリーズに向かいたい、という気持ちも当然頭をよぎる。
今季はここまで17試合に出場し、トップ10入りは8回。割合にして47%という高数値で、シーズンを通して好調をキープしている。ピナクルCCではこれまでの6ラウンド中4ラウンドで「65」以下を叩き出すという好相性。2021年「全米女子オープン」以来となる米2勝目を、自然と期待してしまう。(文・笠井あかり)