先週シニアOP優勝の藤田寛之 若手では持ちえない“経験と勘”で久々上位入りへ

<パナソニックオープン 事前情報◇20日◇小野東洋ゴルフ倶楽部(兵庫県)◇7113ヤード・パー72>

先週開催された「日本シニアオープン」で見事な逆転劇を演じ、シニアメジャー初勝利を挙げた藤田寛之が今週レギュラーツアー「パナソニックオープン」に参戦する。8月に開催された「横浜ミナトChampionship」以来のレギュラーで、主催者推薦枠での出場。ツアーでは2020年「ゴルフ日本シリーズJTカップ」以来のトップ10入りを狙う。
シニアオープン優勝の勢いそのままに、男子ツアーでも再び輝きをみせてほしいところだが、本人はいたって普通だ。この日プロアマ戦に出場した藤田は、今週の意気込みを聞かれても、「いつも通りやるだけです。自分は何も変わっていませんけど、(優勝して)周りの見る目が変わっただけでしょ」といつも通り冷静沈着な藤田節。

シニアオープンに勝って何か自身の中で変化はあったのか? の問いには「それはないですよ。ただ、調子がいい選手が必ず勝つとか、勝負ってそういうものじゃないんだなってあらためて思い知らされました」。

それもそのはずで、シニアオープンの勝因は「アプローチとパターで拾いまくったこと」。ショットに不安を抱えながらの勝利だったという。「悪いなら悪いなりのマネージメントを思い出したというか、最悪のミスを防いでショットをつないでいくこと」の重要性を感じたという。

「曲げまくっていましたからね(笑)」というように、ドライバーは右へプッシュするミスが目立ったが、「左のミスだけは絶対に避けた結果です」と藤田。「思い切りカット目に入れてフェードイメージなんですけど、いまはそのまま左へ飛んじゃう逆球のミスも出る。フェードで狙って左曲がりは、ホントに最悪ですから」。フェアウェイ左狙いなのに、そこからさらに左へ曲がる逆球はとんでもないミスにつながる。

本人は「本能的な反応」というが、左への引っかけを防ぐため、インパクト直前で“左に飛びそう”と感じた瞬間にフェースを開くような動作が入るのだという。その結果の右プッシュ。つまり予期せぬミスではなく、想定内のミスだったのだ。リスクを排除し、自分がいまできる最高のパフォーマンスを発揮するために何をするのか、どんなショットマネージメントを組んでいくのかでスコアは大きく変わってくる。

勢いと実力のある若手が次々と台頭する国内男子ツアーにあっても、藤田の百戦錬磨の経験と勝負所での勘は必ず武器になる。いまのレギュラーツアーのレベルは高く「とても太刀打ちできません」と謙遜する藤田だが、勝負を諦める気持ちなど毛頭ない。若手では持ちえない経験値と技術を駆使し、明日から始まるレギュラーツアーの戦いに挑む。(文・土屋裕一)

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