
<クローガー・クイーンシティ選手権 初日◇7日◇ケンウッドCC(オハイオ州)◇6515ヤード・パー72>
渋野日向子が初日からいきなり見せ場を作った。前週の「ポートランドクラシック」と同じ展開だ。パー5でのチップイン・イーグルで、まずは1日が開けた。1番でティショットを右の木の中に打ち込むと2打目は右バンカー。そこから50センチに寄せパーセーブすると、2番パー5で最近の渋野“らしい”技が飛び出す。
フェアウェイから放った2打目は「運がよければ乗ってくれるか」という距離。これはグリーン右に外すも「右サイド狙い」と予定通り。左奥のピンに対してアングルは良好。ここで58度のウェッジを抜くと、この一打はグリーンに着弾し転がり、本人もビックリの表情でカップに吸い込まれた。「なんかいい感じで打てて入ってよかったです」。先週もチップイン・イーグルを決めており、最近は寄せが極めて順調。と思いきや…。
イーグルで一気に2アンダーまで持っていったが、7番パー4で今度は寄せでスコアを戻してしまう。短いパー4のティショットは右のバンカーへ。2打目は左のピンに対して左のバンカー。「セカンドのバンカーは仕方ないとして、グリーン周りのバンカーで一回で出なかった。左足下がりでアゴが高かった。ちょっと寄せに行こうと頑張っちゃったのが若干ダフっちゃって出なかった。痛かったですね」。
結局3打目で出ずに4打目でようやくグリーンオン。残ったボギーパットも長く、ここから2打かかりダブルボギー。先週から続いているチップイン・イーグルを帳消しにするダボには「やらかしも多いから、プラマイゼロといよりマイナスな感じ」と、感覚的には振り出しより前に戻った。後半の15番でバーディを奪うも結局このダボが響き、1オーバー・88位タイと出遅れた。
ショートパットで「かすりもしなかった」パットがあるなど、前日までと硬さや速さが変わったグリーン上では苦しんだ。ショット面でも及第点はつけずに、この日の収穫は「なんかあるかな…」と考えるほど。ホールアウト後はファン対応、取材対応ののちに練習グリーンに直行。夕暮れ迫るなかでボールを転がした。
「明日は明日の風が吹くので分かりません!」と気持ちを切り替え臨む予選ラウンド2日目。今週終了時点のポイントランキングで43位内に入れば、自力で日本開催米ツアーの「TOTOジャパンクラシック」の出場権を得る。現在は72位でかなり険しい道のり。まずは予選を突破し、爆発的なスコアで挽回を目指す。(文・高桑均)