
<CAT Ladies 事前情報◇17日◇大箱根カントリークラブ(神奈川県)◇6638ヤード・パー72>
川﨑春花は先週の「AIG女子オープン」(全英)で海外メジャー2試合連続となる予選通過を果たして日本ツアーに戻ってきた。とはいえ、3日目に「83」を叩いたことが響いて、予選通過を果たした選手の中では最下位となるトータル17オーバーの73位。喜び半分、悔しさ半分といった結果に終わった。さらに宿泊していたホテルでは日本から持っていった炊飯器を壊すというハプニングもあったという。
「一緒に回った(2018年優勝の)ジョージア・ホールさんと写真を撮ったことぐらいかな?」。プレー以外で全英で印象に残ったことを尋ねると、こんな答えが返ってきた。食事はどうしていたのか、続けて質問すると「朝昼晩と毎日クラブハウスで食べていました。パスタとか、炒飯とか。英国は食事が…なんて聞いていたけど、困ったことはなかったです。最終日の夜だけは(櫻井)心那とイタリアンを食べに行きました」。こうして淡々と英国での生活を振り返っていた川﨑が「あっ」と声を上げる。「ありました、ハプニング」。食べ物の話題で思い出したのだろう、ここから炊飯器を壊した話が始まった。
「日本からIHを持って行って、変圧器を繫いで、母とご飯を炊こうとしたんです」。川﨑は炊飯器をIHと呼んでいるようだ。「でも、電気がつかなかったので、変圧器が壊れてるのかなと思って、変圧器なしでコンセントに繫いだんですけど、それでも電気がつかなかったんですよ」。家庭用のコンセントの電圧は日本は100V、英国は240V。対応していない電化製品を繫ぐのはNGだ。「しばらくして母がIHの電源が入っていないことに気が付いて、スイッチを入れた瞬間に“ボン”って。一瞬でホテルの部屋が停電になっちゃたんです」。
自分たちの部屋は停電になったため、母娘はキャディの部屋に向かって再挑戦。「今度は変圧器もちゃんと使ったんですけど、煙が出てきたんですぐに電源を切ってコンセントも抜きました。IHはたぶん、壊れちゃったんで捨ててきました」。炊飯器はラウンド中に食べるおにぎりを作るために持参したものだった。
ちなみに3日目の「83」はおにぎりが食べられなかったからではなく「バンカーから4回出なくて、そこで心が折れちゃいました。ラウンド中はサンドイッチを食べていたんでお腹はすいてたわけじゃありません(笑)」。シーズン前半の不振を脱し、こんな大叩きのラウンドを振り返るときでも表情は明るい。海外メジャーでの経験も糧にルーキーながら2勝を挙げた昨季の勢いを取り戻す日も近そうだ。(文・田中宏治)