
<アムンディ・エビアン選手権 初日◇27日◇エビアンリゾートGC(フランス)◇6523ヤード・パー71>
初日1オーバー・64位タイの滑り出しにも、渋野日向子が安堵交じりの笑顔をみせるのは、一歩前進できたと感じられたことがあったから。4月30日の「JMイーグルLA選手権」の最終日以来、3カ月ぶり、そして11ラウンドぶりに連続バーディを奪った。
「最近はバーディが来ても波に乗れないというのがすごい多かったけど、きょうはバーディ、バーディができたのが、自分のなかではちょっと前に進めた感じがあったかなと思いました」
インからスタートして、出だし3ホールで2つのボギーを叩いて迎えた16番パー3。7番アイアンで奥2.5メートルにつけてバーディ。続く17番では、右ドッグレッグのなかでティショットをフェアウェイに運ぶと、残り133ヤードから1.5メートルにピタリ。こちらもピンに絡めたショットを放ち、横並びの“○”をスコアカードに刻んだ。
ショートアイアンのナイスショットが目立つだけでなく、長いクラブでも繰り出した。距離が437ヤードと長い13番パー4では、2打目に5番ウッドを持たされたが、ピン手前にオン。「ここ1カ月くらいを見ていくと、コントロールできていたところもあった」と、ショットの内容を明るい言葉で振り返る。
日米合わせて5試合連続予選落ちのなかで迎えたフランス戦。3桁順位での滑り出しも少なくなかったが、今大会は65位タイまでの予選通過“圏内”で初日を終えた。カットラインを意識しながらのプレーにはなるが、「まだチャンスがあるって思っている。しっかり明日もやるべきことをやって、攻めるところは攻めてというゴルフができればいいなと思います」と意気込み、なんとか6連続は阻止したい。
もちろん、「まだ全然。ショートアイアンでミスしているところもありますし、距離感も飛びすぎたというところもあった」と、厳しく評価する面もある。それでも、この日の3つのバーディはすべてショットでつけて、それを決めたもの。ここ最近と比べても「だいぶマシだったかな」と話し、状態が上向いていることも実感できる。
少しの成長を感じることのできた初日。あすの18ホールでも、また一歩、前に進むことができれば、求める結果はおのずと近づいてくるに違いない。(文・笠井あかり)