PO敗戦…仲間の前で泣き崩れ「私の実力不足」 桑木志帆、初優勝への“ラストピース”

<資生堂 レディスオープン 最終日◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6605ヤード・パー72>

首位タイからスタートした桑木志帆はプレーオフ2ホール目で敗れ、初優勝にあと一歩届かなかった。グリーン上では優勝した櫻井心那を笑顔で称えたものの、プレーオフを見届けた同い年の岩井姉妹からハグされると涙があふれ出す。さらにクラブハウス前でやはり同い年の内田ことこに出迎えられると、再び泣き崩れた。
落ち着きを取り戻した後、報道陣の取材に応じた桑木は「悔しいです。悔しいですけど、持っているものはすべて出せたと思います。相手の方がうまかった。私の実力不足です」。終盤の16番パー5でバーディを奪った時点で単独首位に立つなど、初優勝が目の前に迫っていたが、そこから追いつかれてのプレーオフ敗退。ショックを受けるのは当然だろう。ショットの調子が良くないなか、ここまで戦えたことについても「優勝しか意味がないかなと思います」と目に涙を浮かべて話した。

櫻井のバーディで決着がついたプレーオフ2ホール目は、桑木も6メートルのチャンスにつけていた。しかし、これを約50センチショート。「出だしの傾斜が強くて打ち切れませんでした。メンタルが弱いです」。上位でプレーできる力は証明済み。何に取り組めばいいのか、最も答えを見出しづらいテーマではあるが、終盤での勝負強さが初優勝への最後のピースと言っていいはずだ。

もうひとつ気になるのは飛距離。昨季は平均243.79ヤードでツアー18位だったが、今季は237.34ヤードの48位と数字を落としている。本人は「あまり飛距離は変わっていません」と話しているものの、オフの間に大きなフックからストレートに近いフェードへと球筋を変えた影響からか、正規のラウンドも同組だった櫻井(254.30ヤードでツアー5位)にはデータ通り、ティショットで離されていた。

オフに計測機器で桑木のスイングを分析した関係者は「スピン量が多いので、ヘッドスピードの割に飛距離が出ていない。クラブやシャフトなのか、スイングなのか、どちらにしても、飛距離を出すには何らかの調整が必要でしょう」と話す。逆にいえば、飛ばしのポテンシャルは十分に秘めているということ。パーオン率、パッティングなど、ドライビングディスタンス以外のスタッツは軒並み向上しているだけに、昨季の飛距離を取り戻すことができれば、確実に強さは増すはずだ。「初優勝が近い選手」というポジションもそろそろ居心地が悪くなるころ。この日の悔し涙を糧にさらなる成長を期待したい。(文・田中宏治)

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