“名物”アップダウン攻略に必要な「イメージ力」を研ぎ澄ますのは?【大西翔太のSHOWTIME】

<RKB×三井松島レディス 初日◇12日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6299ヤード・パー72>

今季メジャー初戦が終わった国内女子ツアーは、会場を福岡に移し今季第11戦が行われる。舞台になるのは、アップダウンの激しさでも知られる福岡CC和白C。そこで活躍する選手は? 青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が現場から見どころを紹介する。
やはり大西氏も最大のポイントに挙げるのはアップダウン。例えば9番は、セカンド地点からグリーンがまったく見えないほどの上りとなり、ピンの高さも通常の倍ほどのものが用意されている。その他も打ち下ろし、打ち上げのホールが多く、距離感を合わせるのも一苦労といったところだ。それは「ピンが見えないところもあって、その時には“心の目”で寄せていく必要がある」と表現するほど。

さらに今年はグリーンが「例年に比べて、硬く仕上がっていますね。スピードは速くないけどコンパクションはしっかりあります」という違いも感じられるという。ラフは決して長くないため、とにかくグリーンを狙うショットがカギになる。「ボールが落ちてから寄っていくところまでイメージしないと寄らない。アップダウンが強いホールは、数字やデータだけではダメで、イメージ力も大切になります。その能力、そしてマネジメント力がある選手が上位に来ます」と、その展開を読んでいる。

そう説明したうえで、上位を賑わしそうな選手として最初に名前を挙げたのが上田桃子。「先週は吉田優利さんがメジャー制覇をして、“チーム辻村”(辻村明志コーチに指導を受ける選手たち)は燃えていると思います」。なによりも、その仕上がりのよさを感じ取っているようで、「距離もでるしアプローチもいいし、スキがありませんね。ボールの飛び方や、心構え、雰囲気もいいです。上位に来るのは必然だと思っています」と話す。ここまで優勝には手が届いていないが、出場8試合中6試合でトップ10に入っているなど好調をキープしている。

また、地元・福岡勢の三ヶ島かなにも注目する。やはり“ホーム”で戦った時の声援の大きさはアドバンテージだが、それだけでなく、こんな話も。「佐々木(裕史)キャディに話しを聞くと、状態も上がってきているようです。特にパターがよくなっていて、上り調子でバシッと決めてくれそうですね」。ツアー2勝目を、故郷で-。こんなシーンも想像できる。

さらに、2週連続優勝を狙う吉田も、当然ながら優勝候補のひとりとなる。強風のなか、難コンディションを乗り越えてメジャー制覇を果たした実力もそうだが、「優勝した次の日から、早起きして練習をしたそうです。魂は燃え続けてますね」と気合も変わらず十分。本人も、「(勝ったのが)たまたまメジャーだったという感じ。もっともっとゴルフが上手くなりたいです」と話すなど、確かに“燃えている”。

「3人に共通しているのはイメージ力が強いこと。どれだけコースと向き合えるか。クセがあるコースなので、しっかりコースと“対話”しないと、振り向いてくれません」。想像力豊かなプレーの応酬になることを、大西氏は期待する。

解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。

externallink関連リンク

RKB×三井松島レディス 初日の組み合わせ 三ヶ島かな プロフィール&成績 吉田優利 プロフィール&成績 上田桃子 プロフィール&成績 畑岡奈紗は? 米女子ツアーのリーダーボード
externallinkコメント一覧

コメントを残す

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)