
レアル・マドリードは9日、2021-22シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)決勝のリヴァプール戦で発生したスタジアム入場時のトラブルを巡って、UEFA(欧州サッカー連盟)の対応を批判する声明を発表した。
昨年5月28日にフランスの『スタッド・ドゥ・フランス』にて開催されたリヴァプールとレアル・マドリードのCL決勝戦。試合はブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオールのゴールでレアル・マドリードが勝利。前人未到14回目のCLタイトルを獲得していた。
だが、試合のキックオフ前にはピッチ外でのトラブルが発生していた。偽チケットを持った数千人のファンがスタジアムの入場口を占拠し、リヴァプールサポーターの入場が遅れる事態となったのだ。試合はキックオフ時間を約30分間遅らせてスタートしていたが、スタジアムの外では偽チケットを持ったファン・サポーターが強引に会場への侵入を試み、現地警察は催涙ガスを用いて対応するなど、混乱が続いていたことが明らかになっていた。
当初、UEFAとフランス当局はチケットを持っていないファンたちの責任と主張していた。だが、調査結果を経てUEFAに責任があることが明らかに。UEFAは謝罪だけでなく、7日にはファンに向けた特別な払い戻し対応を実施すると発表。合計1万9618人が払い戻しの対象となることが伝えられていた。
しかし、レアル・マドリードはUEFAの対応に納得ができていないようだ。スタジアムに駆けつけたファン・サポーターは入場が遅れただけでなく、チケットや貴重品の盗難、さらには混乱によって発生した暴力行為でケガをした人や入院をしなければならなかった人がいることに言及。ファン・サポーターへの補償内容を協議する目的でUEFAとの話し合いを続けてきたものの、以下のような言葉でUEFAの対応を批判した。
「残念ながら、我々のクラブは7日に正式に発表されたUEFAの対応は不十分であると考えています。チケット代の払い戻しのみの対応であり、スタジアムへの入場時間の証明など、一定の要件を満たすことが条件です。UEFAが提出した今回の報告書では、決勝戦に参加したすべてのファン・サポーターがその劣悪な組織の犠牲となり、彼らの心身双方での完全性が損なわれたことを強調しています」
また、レアル・マドリードはUEFAが決定した“限定的な”補償手続きには協力しないとも発表。被害に遭ったファン・サポーターがUEFAに対して正当な補償内容を主張できるようにすべく、数日中にオンライン支援サービスを立ち上げる予定だという。同サービスの詳細は今後数日以内にクラブを通して伝えられる予定だ。