ハリー・ケインも仲間入り…プレミアリーグのクラブ歴代最多スコアラーを一挙紹介!

 先日、トッテナムに所属するイングランド代表FWハリー・ケインがクラブ歴代最多ゴール記録を更新した。
 
 今月5日に行われたプレミアリーグ第22節のマンチェスター・C戦で、ケインは15分にチームを1-0の勝利に導く決勝弾をマーク。ゴール前でピエール・エミール・ホイビュルクからパスを受けると、右足で確実にコースを突いてネットを揺らし、トップ4争いにおける貴重な勝ち点「3」を強敵マンチェスター・Cから奪って見せた。
 

 
 このゴールでケインはトッテナムでのプレミアリーグ通算200ゴールを達成。それと同時に同クラブでの公式戦通算ゴール数を「267」まで伸ばし、元イングランド代表FWジミー・グリーヴズの266ゴールを抜いてクラブ歴代最多ゴール記録を更新した。とはいえ、グリーヴズの266ゴールには1962年のチャリティシールド(スーパーカップ)での2得点が含まれておらず、本来グリーヴズの記録は268ゴール。そのため、まだケインは記録を更新していない説も出ているが、クラブはチャリティシールドのゴールをカウントしていないため、ケインが正式にクラブ記録を更新したことになっている。
 
 記録を抜いたのか、まだ抜いてないのか…。そこは各々の判断にお任せするが、凄まじい記録であることに変わりはない。果たして、ケインのように近いうちにクラブ記録を塗り替える選手はいるのだろうか? それではプレミアリーグの他クラブの「クラブ歴代得点記録」を見てみよう。

[写真]=Getty Images
 
■アーセナル:ティエリ・アンリ 
228ゴール/337試合(所属1999-2007、2012)

 
 アーセナルの記録を持つのはご存知、ティエリ・アンリだ。クラブ歴代最高選手にも選ばれたことのあるフランスの英雄は、それまでイアン・ライトが持っていた記録(185ゴール)を大幅に更新。1試合平均「0.67ゴール」という高い決定力でクラブ史にその名を刻んでいる。今のアーセナルにはクラブ得点ランクの歴代トップ10に入る選手が一人もいないので、当分アンリの記録は安泰だろう。

 
■マンチェスター・C:セルヒオ・アグエロ 
260ゴール/390試合(所属2011-2021)

 
 マンチェスター・Cのクラブ記録を有するのは在籍10年間で「260ゴール」を叩き出したアルゼンチンの点取り屋、セルヒオ・アグエロだ。彼は1シーズン平均26ゴールを稼いでことになる。これは素晴らしい記録なのだが、今季マンチェスター・Cにやってきた“怪物”が記録を塗り替えるかもしれない。22歳のノルウェー代表FWアーリング・ハーランドは、今季既に31ゴール(28試合)を稼いでおり、この勢いならば6シーズン程度でアグエロの記録を塗り替えてしまうぞ!
 

 
■マンチェスター・U:ウェイン・ルーニー 
253ゴール/559試合(所属2004-2017)

 
 イングランドフットボール界の英雄であるボビー・チャールトンの「249ゴール」という記録を塗り替えたのはウェイン・ルーニーだ。559試合に出場して「253ゴール」を積み重ねて新たな歴史を築いた。そんな英雄たちの記録に挑戦するのが、生え抜きのFWマーカス・ラッシュフォード(25歳)だ。イングランド代表のアタッカーは、これまで336試合の出場で通算113ゴール。スランプに陥った時期もあるが、今季は既に公式戦20ゴールと好調。この調子を維持できれば、5年後くらいにはルーニーの記録に並んでいるかもしれない。
 

 
■ニューカッスル:アラン・シアラー
206ゴール/405試合(所属1996-2006)
 
 ニューカッスルの記録保持者はプレミアリーグ歴代最多ゴール(260ゴール)を誇る元イングランド代表FWアラン・シアラーだ。シアラーはサウサンプトンやブラックバーン時代を含めると、クラブキャリア通算「379ゴール」を生み出している。
 

 
■トッテナム:ハリー・ケイン 
267ゴール/417試合(所属2009~)

 
 現在267ゴールのFWハリー・ケインは一体どこまで記録を伸ばすのだろうか?
 

 
■ブライトン:トミー・クック 
123ゴール/209試合(所属1921-1929)
 
 日本代表の三苫薫(25歳)が所属するブライトンのクラブ記録を持つのは1920年代に活躍したクックで123ゴール。一方、2017年にクラブのプレミアリーグ初昇格に貢献するなど、2期に渡ってブライトンで活躍したFWグレン・マリーは、通算「111ゴール」でクラブ記録に12ゴール届かなかった。
 
 ちなみにブライトンの「123ゴール」という記録は20クラブ中、最も少ない数字。そのため現在7ゴール(20試合)の三苫薫にも、いつかクラブ記録を更新するチャンスは十分にある。とはいえ、今の活躍を続ければ、直にビッグクラブに引き抜かれてしまうのだが…。
 
■ブレントフォード:ジム・タワーズ 
163ゴール/282試合(所属1954-1961)
 
 タワーズの「163ゴール」という記録は、クラブが3部リーグに所属していた頃の話。6シーズンで4度もクラブ得点王に輝く活躍を見せた。
 
■フルアム:ゴードン・デイヴィス 
178ゴール/394試合(所属1978-1984、1986-1991)
 
 クラブ記録を持つのは2度に渡ってフルアムに在籍した元ウェールズ代表FWゴードン・デイヴィスだ。
 
■チェルシー:フランク・ランパード 
211ゴール/648試合(所属2001-2014)

 
 チェルシーのクラブ記録を有するのは元イングランド代表MFフランク・ランパードだ。ランパードはクラブ歴代4位の648試合に出場して「211ゴール」をマーク。純粋なMFながら偉大な記録を打ち立てた。得点力もさることながら、やはり彼の凄さはチームを勝利に導くオールラウンダーとしての能力だろう。2005年にチェルシーを50年ぶりのリーグ制覇に導くと、2012年にはクラブ史上初の欧州制覇にも貢献した。
 
 ちなみに、トッテナムのクラブ記録を持っていたジミー・グリーヴズは、チェルシーでもゴールを量産しており、クラブ歴代7位となる132ゴール(169試合)を決めている。1試合平均「0.78ゴール」というモンスター級の決定力を誇ったことになる。
 

 
■リヴァプール:イアン・ラッシュ 
346ゴール/660試合(所属1980-1987、1988-1996)

 
 リヴァプールの記録保持者はウェールズの英雄、イアン・ラッシュだ。2度に渡ってリヴァプールに所属したラッシュは、圧倒的な決定力で5度のリーグ優勝、2度のチャンピオンズカップ制覇に貢献。同選手はリヴァプールで「346ゴール」を記録しており、クラブの歴史において唯一300ゴールを超えているプレーヤーである。
 
 現役選手としてリヴァプールの歴代得点ランクで最上位に着けるのはエジプト代表FWモハメド・サラー。285試合の出場で173ゴールという記録を残し7位に着けているが、まだラッシュの半数しか奪えておらず、記録更新は絶望的。まずは5位に着けるスティーヴン・ジェラードの186ゴールを目指したい。
 

 
■アストン・ヴィラ:ビリー・ウォーカー 
244ゴール/531試合(所属1919-1933)
 
 古豪アストン・ヴィラでは、ビリー・ウォーカーが90年間もクラブ記録を保有し続けている!
 
■クリスタルパレス:ピーター・シンプソン 
165ゴール/195試合(所属1929-1935)
 
 チームが3部リーグに所属していた頃の記録とはいえ、1試合平均「0.85ゴール」は驚異的な決定力だ。
 
■ノッティンガム・フォレスト:グレンヴィル・モリス 
217ゴール/459試合(所属1898-1913)
 
 今回のリストで最も古い記録となったのがノッティンガム・フォレストのグレンヴィル・モリス。1913年に打ち立てたクラブ記録は110年間も破られていないし、恐らくあと数十年は安泰だろう。
 
■レスター:アーサー・チャンドラー 
273ゴール/419試合(所属1923-1935)
 
 レスターでは、現役選手のFWジェイミー・ヴァーディがクラブ歴代得点ランクの3位に着けている。ヴァーディーは同クラブで410試合の出場で168ゴール。これは現役のプレミアリーガーとしてトッテナムのハリー・ケイン(267ゴール)、リヴァプールのモハメド・サラー(173ゴール)に次いで所属クラブで3番目のゴール数となっている。
 
 だが、レスターのクラブ記録はFWアーサー・チャンドラーの「273ゴール」のため、36歳のヴァーディーが記録を更新するのは不可能だろう。
 
■ウルヴァーハンプトン:スティーヴ・ブル 
306ゴール/561試合(所属1986-1999)
 
 1986年にウルヴズに加入したFWスティーヴ・ブルは、わずか6年で当時のクラブ記録を更新すると、その後もゴールを獲り続けて「306ゴール」まで到達。2位に112ゴール差もつけている。
 
■リーズ:ピーター・ロリマー 
238ゴール/698試合(所属1962-1979、1983-1985)
 
 元スコットランド代表の生え抜きプレーヤーは、攻撃的MFとしてミドルシュートなどでゴールを量産。2位に80ゴールほどの差をつけてクラブ記録を保持している。ロリマーは2度のリーグ制覇に貢献したほか、1975年には決勝戦でバイエルンの前に屈するも、チャンピオンズカップで準優勝を遂げた。
 
■ウェストハム:ヴィック・ワトソン
326ゴール/462試合(所属1920-1935)
 
 1966年FIFAワールドカップ決勝でハットトリックを達成したFWジェフ・ハーストは「252ゴール」でクラブ歴代2位。クラブ記録を持つのは1920~30年代にゴールを量産したヴィック・ワトソンで「326ゴール」だ。
 
■エヴァートン:ディキシー・ディーン
383ゴール/433試合(所属1925-1937)
 
 エヴァートンのクラブ記録を持つのは、数々の記録を打ち立てたイングランドフットボール界のレジェンド、ディキシー・ディーンだ。1920~30年代にかけてエヴァートンでゴールを量産したディーンは、リーグ戦での399試合出場349ゴール(平均0.87ゴール)を含め、公式戦「383ゴール」の大記録を達成。そして1927-28シーズンにはリーグ戦39試合で60ゴールという信じられない記録を樹立した。これは今も破られることのないイングランドのリーグ記録となっている。いくらマンチェスター・Cのノルウェー代表FWアーリング・ハーランドがゴールを量産しているとはいえ、この記録だけは破られることがないだろう。
 
 ディーン本人も自身の記録の偉大さを理解しており「いつか記録は破られると思う。しかし、それが可能なのは一人だけだろう。水の上を歩ける男ならば可能なはずだ!」と冗談を飛ばしたことがあるという。
 

 
■ボーンマス:ロン・エアー
229ゴール/378試合(所属1924-1933)
 
 アストン・ヴィラ同様に、ボーンマスのクラブ記録も90年間破られていない。
 
■サウサンプトン:ミック・シャノン
228ゴール/510試合(所属1966-1977、1979-1982)
 
 サウサンプトンでは、クラブ一筋で活躍した元イングランド代表MFマット・ル・ティシエが16シーズンで209ゴールを叩き出すも、FWミック・シャノンのクラブ記録である「228ゴール」には届かなかった。
 

(記事/Footmedia)

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