
<セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 2日目◇6日◇カパルア・リゾート プランテーションC(米ハワイ州)◇7596ヤード・パー73>
強風が吹いた2日目もボギーなし。出場選手で唯一2日間でスコアを一度も落とさなかったコリン・モリカワ(米国)が、2位に2打差をつけて単独トップに立った。
1番パー4で6メートル弱を沈めてバーディ発進を決めると、3番で1メートル、4番で2.5メートル、2オンした5番パー5も2.5メートルのパットを沈めて3連続バーディ。その勢いは後半も止まらず10番パー4で9メートルをねじ込むと、14番で2.5メートル、15番パー5も14メートルをきっちりと2パットでバーディを奪った。
メジャー通算2勝のモリカワだが、実は昨シーズンは未勝利。「すごくフラストレーションがたまった」と振り返った。昨季はグリーン周りのストロークス・ゲインド(スコアに対する貢献度)が152位、パッティングは131位。「ショートゲームをどうにかしなければならないのは明らかだった」という。
その結果、「オールスターチーム」と呼ぶコーチ陣を備えた。これがこの好調のワケだという。昨秋、「トミー(フリートウッド)やローリー(マキロイ)、マックス(ホーマ)らに聞いて…」とアイルランド人のパッティングコーチ、スティーブン・スウィーニー氏と調整を開始した。11月、メキシコで開催された「ワールドワイド・テクノロジー選手権atマヤコバ」の前日、日没が過ぎてもパットを繰り返した。
「スティーブンの教えは技術とフィーリングの両方で、非常に心地いい」とモリカワ。さらにハワイに入ってからは元ツアープロのパーカー・マックラクリン氏に、人生初というアプローチのコーチを受けた。
その結果、この2日間のパッティングのストロークス・ゲインドは1位。グリーン周りはサンドセーブ、スクランブリング(パーオンを逃したホールでパー以上を奪う率)ともに1位につけている。
「今日のこの風の中、ピン位置を考えたらすごくいいプレー。いいパットがたくさん決められた」と胸を張ったモリカワ。「あと2日、このバーディが続けられれば…」と21年7月の「全英オープン」以来となる勝利を目指す。(文・武川玲子=米国在住)