【ワシントン時事】米連邦捜査局(FBI)は10月31日、暗号資産(仮想通貨)交換事業で世界最大手のバイナンスから約63億ドル(約9900億円)相当の資産が不正流出した問題に北朝鮮が関与していたと発表した。北朝鮮のハッカー集団「トレーダートレーター」が、盗み出した資産を資金洗浄したことを突き止めたという。
巨額資産の流出は、北朝鮮のハッカー集団による犯行との見方が出ていた。FBIは、トレーダートレーターが暗号資産イーサリアムなどに交換したことを確認。さらなる資金洗浄が続く可能性があるとしている。
暗号資産で過去最大規模の被害と見られており、バイナンスは全ての損失を補償する考えを示している。31日には流出した約63億ドルのうち、顧客残高の裏付けとなる資産の不足分の約9割を補填(ほてん)したと表明。11月1日までに顧客が出金できるようにする予定だとしている。
バイナンスが資産流出を公表したのは10月29日(日本時間30日)。入出金を一時停止し、約30億ドル相当の資産を凍結して攻撃者が移動できないようにした。
調査の過程で、開発担当者のノートパソコンが不正アクセスを受けた可能性に加え、複数の侵入経路が判明。バイナンスはハッキングが単独犯によるものではなかったとの見方を示している。