「この場所で水没したの…?」千葉豪雨“丘の上の幹線道路”の惨状 冠水車が出た場所の“共通点”とは?

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千葉県を襲った豪雨のあとを、被害が顕著だった千葉市緑区の幹線道路でたどりました。幹線道路に残された水没車両には、想像を超える雨量になす術のない惨状が、くっきりと残っていました。

「これじゃ端に寄せられない」作業者を悩ませる放置車両も

 2026年8月13日から降り出した千葉豪雨は、多数の床上・床下浸水の家屋被害だけでなく、本来どこにでも逃げられると思えるはずの車両にも、多くの被害をもたらしました。千葉市は路上に放置された水没車両について、市が管理する道路の放置車両だけで約2500台にのぼったことを16日に明らかにしています。

 この放置車両対策のため、国土交通省関東地方整備局も17日、TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)7人を千葉市に派遣しました。目的は道路啓開作業です。本格移動を待つ間、車両を左端に寄せて、一般車両が安全に通行できる区間を確保します。車両移動用の小さな台車を放置車両のすべてのタイヤに取り付けて、人力で車両を左端に寄せていきました。

 ただ、この日、派遣隊の前にあったのは、約20cm高い歩道に助手席側の後輪を乗り上げたまま動かなくなった乗用車。これではレッカー車を待つしかありません。

 車両の水没被害は、周囲より低いアンダーパスで起きやすいことは、よく知られています。こうした低い場所は通行しない、という水害対策も聞きます。しかし、目の前の片輪を歩道に乗り上げた車両は、幹線道路が濁流に飲み込まれただけでなく、さらに低い路側へ向けて車両を押し流したことを思わせる形跡がありました。

 放置車両は、坂の途中に止まっていました。車輪が乗り上げた歩道と接する隣地の林には、地面を深く削りながら濁流が押し寄せた痕跡があり、歩道の一部はかろうじてアスファルト舗装だけが残っていました。

 よく豪雨では、道路に雨が川のように流れると言いますが、濁流は道路だけでなく、さらに低い場所を探して勢いを増して、道路外へと、クルマの進行方向を横切るように流れた可能性があります。

 同行した千葉市建設局の職員は「車両が乗り上げた原因は不明」としながらも、車内のシートにはアームレストの高さまで浸水したことを示す枯草がこびりついていることを指摘。濁流で船のように浮いた車体が歩道に流されたことをうかがわせます。

 高い場所であれば水没を免れるのではないか、という豪雨未体験者の想像を大きく超える猛威を見ました。

「ここが冠水するのか…」 放置車両がある場所の”共通点”

 この車両が留まっていたのは、千葉市南部の住宅街エリアを貫く都市計画道路「磯辺茂呂町線」です。片側2車線で歩車分離された幹線道路です。この車両を起点に千葉市緑区から中央区の約2.2kmの間には、17日の段階で少なくとも4台の車両が残っていました。

 丘陵を切り拓いた道路は、まっすぐ見通しがよく、滞留車両は事故車のように傷ついているわけではないので、遠目にはすぐにでも動き出しそうな停車車両に見えます。しかし、車両のフロントやリアガラスに「レッカー手配中」「故障車」などと表示されています。中には千葉市が移動を行うことを知らせる貼り紙の車両もありました。

 近づいてみると、フロントグリルの上まで、浸水した痕跡をうかがわせるミニバンもありました。

 多くは、道路形状が下り坂から上り坂に変わるサグ部(へこみ部)に近いところに滞留しています。そこで停車したのか、流されて止まったのかは不明ですが、車両の周囲の低いほうの路面には、水が運んだ土砂の跡がはっきりと残っています。

 当時、気象庁は記録的短時間大雨を発表していました。千葉市中央区の観測所で24時間降水量は364ミリを観測し、観測史上を塗り替える豪雨になりました。こうした豪雨の前に、運転者のとるべき対策は、ほとんどなかったことを道路に残る水没車両は思わせます。レベル4,レベル5という危険警報の中での自動車運転のあり方を考えさせる被害でした。