葬儀料金を巡り、「広告より高額なプランを契約させられた」などのトラブルが後を絶たない。家族葬など小規模な葬儀が広がる中、支払い項目は複雑化しているとして、専門家は「見積書の詳細確認を」と呼び掛けている。
国民生活センターによると、2025年度に全国の消費生活センターに寄せられた葬儀サービスに関する相談件数は917件。19年度は632件で、22年度に初めて900件を超えて以降、高止まりしている。相談のうち「高価格や料金」関連が約半数を占め、25年度は52.6%に上った。
近年、親族など身内のみで執り行う「家族葬」や、葬儀や告別式を1日で行う「一日葬」、火葬だけをする「直葬」などが一般化してきたが、葬儀が小規模になる中、費用項目が複雑化していることが背景に挙げられるという。
母を亡くした女性の事例では、インターネットで「家族葬が50万円」と表示していた葬儀社を訪れたところ、「それは無宗教の方向けで、宗教関連の方はこのプランになる」と言われ、140万円のプランを案内された。会食などの追加費用も発生し、支払った額は200万円を超えた。
葬儀社と利用者双方からの相談を受ける葬儀コンサルタント松瀬教一さん(59)によると、コロナ禍から家族葬など出席人数を絞った葬儀の需要が増えた。1件当たりの単価が低下しており、「無理に売ろうとする葬儀社も少なくない」という。
松瀬さんは、葬儀社によって祭壇に使う物品など「基本プラン」に含まれるものが異なる上、食事や香典返しの品などは他業者が担当する場合もあると指摘。「消費者にとって総額が把握しにくい」と語った上で、「見積書をもらったら、この他に支払うものがないか、指さしをしながら確認することが必要だ」と呼び掛けている。
〔写真説明〕葬儀の弔問客=イメージ