まるで「第三のいろは坂」 便利だけどグネグネ“険道”の実態とは ヘアピンカーブ後の「ふぅ…」が危険!?

増える酷暑日 紫外線量も増加?

関東でも有数の峠道の一つが、栃木の粕尾峠です。便利なルートではあるものの、走行はかなり注意が必要な道でもあります。

鹿沼-足尾「前日光」をショートカット

 かつて国内有数の銅鉱山で栄えた栃木県西部の街「足尾」。明治の足尾鉱毒事件や田中正造のエピソードでも有名です。その足尾町はいま日光市に属し、群馬県桐生市から続くわたらせ渓谷鐵道沿いの国道122号に位置しますが、急峻な足尾山地に隔てられ、東武線沿いの国道293号からは隔絶されています。実質的に“群馬の延長”ともいえる地域です。

 国道293号と国道122号の行き来は、北の日光エリアか、南の佐野・足利・桐生エリアに回り込む必要があります。そこをショートカットするように、東武沿線の鹿沼市と足尾を結ぶ唯一の県道が存在。県道15号鹿沼足尾線の「粕尾峠」です。

 粕尾峠のある日光連山の南側・足尾山地の北側は「前日光」とも呼ばれ、広大な日光エリアを周遊するうえで粕尾峠はうってつけのルートです。現にツーリングで訪れる人は多いようですが、地図上でも「ヤバそうな道」とわかるためか、クルマで通行する人はそこまで多くないようです。

 それは、日光の第一・第二「いろは坂」に次ぐ「第三のいろは坂」とも言えるほどのクネクネぶりを呈する、いわゆる“険道”です。歴史的には、足尾に通じる国道122号の代替ルートとして車道が切り開かれたという経緯があります。

 国道293号方面から粕尾峠までの道は複数方向からあるものの、最終的には粕尾峠1本に集約されます。旧粟野町(鹿沼市)から続く県道15号を思川沿いに遡っていくと、「カーブ1」という標柱のあるヘアピンカーブが現れます。これが“ヤバいクネクネ区間”に入ったことの目印です。

 カーブ33付近には「足粕道路竣工記念碑」が立ちますが、そこに書かれた年号は「昭和28年」。道路構造令の施行以前のため、現在の基準では考えられないクネクネぶりを呈します。ふと横を見ると、これから上る道が2段、3段と斜面に穿たれていることが分かります。

一息ついてペダルを踏むのが要注意!

 標高約1100mの頂上付近は視界が開け、絶景も味わえます。そこからは下りの峠となり、標識は「カーブ58」まで現れます(実際にはカーブの数はもっと多い)。

 粕尾峠は全体を通じて道幅はそこまで細くはなく、対向車ともすれ違えます。ただ、危険だと感じるのは、見通しの効くスラローム状の区間と、全く見通しの効かないブラインドカーブが交互に現れることです。

 急カーブを慎重に通行したあと、見通しが効く区間で少しスピードを上げると、いきなり見通しの効かないカーブが現れ「いま対向車が来てたら衝突してたかも……」と冷や汗をかくような場面がいくつもあります。

 たとえばGoogle mapで佐野市内などから足尾へのルートを調べると、このルートは日光またわ桐生に回り込む高速道路経由と時間のうえで遜色ない(1時間強)候補として出てきます。通行実績があるからこそ候補に上がってくるわけですが、走行する際にはくれぐれも徐行すべきです。また、冬季は積雪するため、避けたほうが無難かもしれません。