物価高直撃、共和に逆風=民主、左派台頭で路線対立―米中間選挙まで3カ月

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 【ワシントン時事】トランプ米大統領の「信任投票」となる11月3日の中間選挙まで3カ月を切った。対イラン軍事作戦に伴う物価高などへの不満から、トランプ氏の支持率は低迷し、与党共和党に逆風が強まっている。一方、野党民主党は候補を決める予備選で穏健派と急進左派との対立が深まり、本選に影響しかねないとの懸念が広がる。
 「歴史上最大の脅威だ。米国を共産主義国家にはさせない」。トランプ氏は今月5日、西部ネバダ州ラスベガスの演説でこう訴えた。民主党を共産主義と位置付けて批判する手法は最近の定番だ。
 発言の背景には、民主党予備選で富裕層増税などを掲げる政治団体「米民主社会主義者(DSA)」が後押しする急進左派候補が台頭していることがある。同党の左傾化を印象付ける狙いだが、ことさら強調するのは選挙への危機感の表れでもある。
 選挙分析機関クック・ポリティカル・リポートの予測では、下院(定数435)の優勢選挙区は共和党212、民主党205で、接戦は18。上院(同100)は35議席を争い、接戦は4となっている。終盤に差し掛かった予備選で、共和党はトランプ氏の支持を得た候補の勝利が相次ぐ。党内ではその支持が「黄金の切符」と評されるほど影響力を持つ一方、11月の本選での勝利につながる保証はない。
 最大の誤算はイラン情勢だ。6月の停戦合意は事実上崩れ、いったん下落したガソリン価格が再び上昇するなど国民生活に影響が及ぶ。リアル・クリア・ポリティクスの6日時点の調査によると、トランプ氏の支持率は39.3%にとどまり、不支持率は58.4%に上る。政権への不満が共和党候補にも波及し、トランプ氏との近さがかえって足かせになりかねないとの危機感も漂う。
 民主党は議会多数派を奪還する好機と捉え、イラン作戦の早期終結や「アフォーダビリティー(価格の手頃さ)」を前面に押し出し、攻勢を強める。
 ただ、党内では指導部を中心とする穏健派と、勢いを増す急進左派が予備選で激しく対立。左派は本選で接戦が見込まれる中西部ミシガン州などで若年層の支持を集め勝利を重ねるが、資本主義を否定するかのような主張が幅広い層に受け入れられるか疑問視する見方は根強い。党内融和を図り、挙党態勢を構築できるかも課題となりそうだ。
 ◇争点は生活費
 中間選挙は食料品など生活費への対応が最大の争点になりそうだ。イプソス社が7月に実施した世論調査によると、投票する際に重視する課題として「経済・物価高」を挙げた人が54%で最多。以下、「移民」28%、「イラン・イスラエルなど外交政策」20%、「政治倫理・汚職」17%、「医療・中絶」15%と続いた。 
〔写真説明〕演説するトランプ米大統領=5日、西部ネバダ州ラスベガス(EPA時事)