高齢者の熱中症予防へ実証=新技術でエアコン使用働き掛け―環境省

データセンター電力問題の解決策

 環境省は今夏、熱中症対策の一環として、重症化しやすい高齢者らを守るための実証実験に乗り出した。人工知能(AI)やセンサーなどを活用し、熱中症のリスクを察知してエアコンの使用を促す。「災害級」とされる暑さの中、高齢者が室内で死亡する事例が多発しており、新技術で予防を強化する。効果が認められれば、2027年度からこうした技術の導入支援を本格化させる方針だ。
 実証実験は(1)内臓などの深部体温をAIが推定し、スマートウオッチで本人にリスクを通知(2)一定の室温以上になった際、センサーが感知してアプリで登録した家族らに連絡(3)室温に応じてエアコンを自動起動させるシステム―の3パターン。いずれも医療機器メーカーなどが手掛ける市販品を用いる。65歳以上の60~70人を対象に6月から始めており、9月ごろまでの約4カ月間行う予定だ。
 誤作動や操作ミスがどの程度起こるか、エアコンの使用や涼しい場所への移動などの予防行動につながるかといった点を検証する。また、エアコン自体を苦手とする高齢者が多いことを踏まえ、アンケートも併せて実施。新技術への心理的な抵抗感についても調べる。
 環境省によると、24年に熱中症で死亡した人のうち、高齢者が約85%を占めた。熱中症で亡くなる場所で最も多いのは自宅。高齢者や基礎疾患がある人は暑さや喉の乾きを感じにくく、周囲が気付くのも遅れがちになることが課題とされる。高齢者の単身世帯が増加する一方、見守りを担う人材の不足が深刻化していることから、同省は新技術を活用した効果的な熱中症対策を目指す。 
〔写真説明〕エアコンが苦手という高齢者も多い(イメージ写真)