「即戦力が欲しい!」近隣国の切実な要望に「海自のベテラン護衛艦」引き渡しへ でも「姉妹艦6隻中5隻だけ」なぜ?

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日本とフィリピンで協議されていた「あぶくま」型護衛艦のフィリピン移転について基本合意に達したことが明らかになりました。

現在進行形で島嶼侵略を受けるフィリピンには即戦力が必要

 2026年7月7日、フィリピンのテオドロ国防相は海上自衛隊の「あぶくま」型護衛艦の提供について「5隻」の取得で日本側と基本合意に達したと明らかにしました。海上自衛隊では「あぶくま」型を2027年度に全艦除籍する予定であり、フィリピン側は数年以内に受け入れるとしています。

 「あぶくま」型は1989年から1993年のあいだに6隻が就役しました。今回、「5隻」とされた理由は不明ですが、すでに艦齢が30年を超えるなかで1艦は“部品取り”用とするのではないかという憶測もあるようです。

 実際、1970年代にアメリカからフィリピンに供与されたキャノン級護衛駆逐艦では、実働艦3隻に加えて2隻が部品取りのため解体された事例があります。

 「あぶくま」型は、近海警備用に建造された基準排水量2000トンの小型護衛艦であり、防空圏内での行動を想定しているため防空装備は限定的です。一方で対潜兵装などは、より大型の護衛艦に準じるものを搭載しているのが特徴です。

 中国の海洋進出の圧力に直面するフィリピンは、海軍力の増強を進めており、新造のフリゲートを順次就役させていますが、即戦力としての実働艦を増やしたいという思惑があり、「あぶくま」型取得の意向を日本側に示していました。

 日本も中国の脅威を受けているなかで、「力による現状変更」に対するパートナー国としてフィリピンとの防衛協力を積極的に進めており、「あぶくま」型の提供は両国の連携を象徴するものと言えるでしょう。