さよならオンボロ潜水艦! カナダが「史上最大の防衛調達」で新たな潜水艦をついに決定

下水道管老朽化 人件費が重荷に

カナダは老朽化した潜水艦隊の更新を目的とした「カナダ哨戒潜水艦プロジェクト」において、ドイツ製の潜水艦を優先サプライヤーに選定しました。最大12隻を導入する「カナダ史上最大の防衛調達」の背景と最新動向を解説します。

北極圏防衛に向け、海洋監視能力強化を進めるカナダ

 2026年7月6日、カナダのマーク・カーニー首相は、ハリファックス海軍基地にて同国の次期潜水艦計画「カナダ哨戒潜水艦プロジェクト(CPSP)」について、ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズ(TKMS)社を優先サプライヤーに選定したことを発表しました。事実上、同社提案の212CD型通常動力潜水艦が次期潜水艦に選ばれたことになります。

カナダは現在、ヴィクトリア級通常動力潜水艦4隻を運用しています。同級は、イギリスが1983~1993年に建造したアップホルダー級通常動力潜水艦を1998年に中古で購入したものですが、導入時点から状態の悪さが問題となり、現時点で稼働状態にあるのは1隻のみという有様です。

 不安定化する世界情勢や、敵対国家の北極海への進出という状況のなかで、カナダは212CD型を最大12隻導入する計画であり、その規模の大きさをカーニー首相は「カナダ史上最大の防衛調達」と表現しています。

CPSPは、通常動力型で海氷・極地寒冷環境で運用する潜水艦の調達を目指した計画であり、優れた通常動力型潜水艦を運用している日本も候補と見られたこともありましたが、2024年に不参加を表明していました。最終的にドイツのTKMSと韓国のハンファ・オーシャンの事実上の一騎打ちとなり、TKMSが制した形です。

カーニー首相は、212CD型について「低音響・低磁気性を備えた212CD型は、世界で最もステルス性の高い潜水艦の1つであり、北極圏哨戒、水中生存性、特殊部隊展開、そして完全なNATOとの相互運用性を備えている」と説明しています。