皇室典範改正案に関する与野党の「全体会議」で、皇室に養子入りした男系男子の子どもの皇位継承権について、政府が野党の質問に曖昧に説明していたことが分かった。衆参両院が7日、6月25日の全体会議の議事録を公開した。翌日には木原稔官房長官が継承権を持つとの見解を示しており、合意を急いだ政府・与党の姿勢が改めて浮き彫りになった。
議事録によると、社民党の福島瑞穂党首は養子とその子孫の皇族としての地位について、改正案の要綱が「実方(養子の実家)の系統による」としていることに触れ、「養子の子どもは皇位継承権を持つという意味か」とただした。
現行の典範1条は、皇位を「皇統に属する男系男子が継承する」と規定。改正案の要綱は、養子を父方に天皇を持つ男系男子に限った一方、その子どもの継承権は記載しなかった。現行1条と「実方の系統」を合わせると、子どもが男子なら継承権を持つというのが政府の考えだ。
全体会議で、森英介衆院議長は政府側に回答を促さなかったため、福島氏は改めて質問。山崎重孝内閣官房参与は「政府の立場は(立法府の)取りまとめを忠実に反映する」とした上で、「後の部分は現在の典範の解釈通りになっていく」と説明した。「後の部分」は記載しなかった継承権が念頭にあるとみられる。
ただ、山崎氏は「実方の話は現行法の解釈としてどうなるか」とも言及した。山崎氏の発言後、森議長はすぐに休憩を宣言。再開後は要綱の取りまとめに移った。
木原氏は翌26日の記者会見で、養子の子どもの継承権について「現行の規定が適用される」と明言。野党からは「ごまかしだ」などと反発の声が出ている。
〔写真説明〕皇族数確保に関する衆参正副議長、与野党代表者らとの全体会議=6月25日、東京・永田町