【ワシントン時事】米国は4日、建国250周年を迎えた。首都ワシントンでは祝賀ムードが広がっているが、トランプ大統領を前面に押し出したイベント開催や記念品に対して、「私物化」と反発する動きも出ている。祝賀の記念日までが米国の分断を映し出している。
気温35度を超える炎天下のワシントン。全米50州と自治領の博覧会が開催されている中心部の緑地帯「ナショナル・モール」には、観覧車が設置され、市民でにぎわった。中西部コロラド州から訪れたシェリー・スタイグさん(58)は「すべての中心の首都で建国を祝うのは素晴らしいこと。50年に一度のお祝いに参加するのは人生で一度きりだ」と話す。
だが、米メディアによれば、民主党知事の少なくとも7州が「財政上の理由」で不参加を表明し、椅子とポスターだけしかない州のブースもあった。博覧会を主催する団体がトランプ政権の色彩が濃いことなどに反発したとみられている。
トランプ氏は昨年、250周年事業を行う団体を大統領令で発足させ、一連のイベントを主導するようになった。米政府は4月末、トランプ氏の肖像画が印刷されたパスポートを発行すると発表。ホワイトハウスでは6月、トランプ氏の誕生日に合わせて総合格闘技「UFC」の試合が行われた。ワシントン市内の連邦政府施設の一部にはトランプ氏の肖像画の垂れ幕が掲げられている。
博覧会会場の外では4日、トランプ氏を批判するデモ行進が行われた。「トランプは今すぐ立ち去れ」「弾劾せよ」などとシュプレヒコールを上げ、沿道のトランプ氏支持者とののしり合う場面もあった。
1976年の建国200周年では、フォード大統領(当時)がスピーチライターに党派色を帯びないように命じたという。アメリカン大学のリムシャパウロウスカ准教授(歴史学)は「記念行事は国民の声に応え、わが国の多様性を反映する時にこそうまく機能すると思う。ホワイトハウスの記念事業には国民の関わりがあまり見られない」と指摘した。
〔写真説明〕4日、ワシントンの労働省に掲げられたトランプ米大統領の垂れ幕
〔写真説明〕4日、ワシントンで行われたトランプ米大統領を批判するデモ行進
〔写真説明〕「ナショナル・モール」の博覧会会場=4日、ワシントン