仏軍「ルクレール」戦車に“公式ドローン対策”仕様が登場! メーカー純正の追加装甲キットを初公開

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 フランス・パリ近郊で2026年6月19日まで開催された防衛装備展示会「ユーロサトリ」において、フランス陸軍の主力戦車「ルクレール」に、砲塔上部を覆う格子状の追加装甲が装備された姿が披露されました。これは一般に「ドローンケージ」などと呼ばれるもので、FPVドローンや徘徊型弾薬による上面攻撃から戦車を守るための装備です。

 この種の格子装甲は、もともとRPGなどの成形炸薬弾を車体から離れた位置で作動させ、メタルジェットによる車内への攻撃から守るスラット装甲に近い発想を持っています。ドローンケージの場合は、車体上部への攻撃「トップアタック」を防ぐため、車体上部を屋根のように覆うのが特徴です。

 戦車の屋根に急ごしらえのような鉄骨を載せた初期の事例は、その外観から英語圏では「コープケージ(cope cage)」と揶揄されていました。

 しかし、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻以降、FPVドローンによる装甲車両への攻撃が急増すると、評価は一変します。

 高価な戦車が安価なドローンによるトップアタックから損害を受ける事例が相次ぎ、各国軍は物理的な上面防護の導入や研究を進め始めました。日本でも、陸上自衛隊を含め対ドローン防護の重要性が高まっており、もはや“見た目が悪い装備”と笑って済ませられる段階ではなくなっています。

DIY品じゃなく純正品

 今回、ルクレールに装備されたドローンケージについて、会場で取材したフランス軍の戦車乗員は次のように説明しました。

「これはウクライナのような現場で即席に作ったようなものではなく、KNDSによって製作されたものです。工業製品化されており、一般的には性能や信頼性も高くなります」(ルクレール乗員)。

 つまり、ウクライナやロシアの前線で見られるような現地改造ではなく、メーカー側が設計・製造する正式な追加防護キットとして考えられているということです。

 ただし、このドローンケージがフランス軍のすべてのルクレール戦車に直ちに装備されるわけではないようです。

「将来的には、多くの戦車にドローンケージが付く可能性はあります。特に都市環境で運用する場合は装着することになるでしょう。一方で、平原や開けた地形で行動するなら、そこまで必要性は高くないかもしれません」(ルクレール乗員)。

 ドローンケージは万能ではありません。重量増加や整備性への影響に加え、砲塔上部のセンサーや機銃、車種によっては、ドローンやロケット弾などの飛来をレーダーで察知し、迎撃弾を発射して撃破するAPS(アクティブ防護システム)などとの配置調整も必要になります。

 また、戦車兵の話からすると、常に装着されるものでなく、地形や状況に応じて装着・取り外しがされる追加装備的な使われ方がなされるようです。

 戦車兵は「このドローンケージは比較的新しい取り組みです。現在、さらに開発が進められている段階です」と説明しており、今後も装備の改良や運用方法の検討が進められていくと見られます。

 かつては応急処置の象徴として笑われた“鳥かご装甲”ですが、ドローンが戦場を変えた現在、その存在は戦車の限界を示すものではなく、むしろ生き残るための進化を続けています。