基地通じ「自分なりの考えを」=転覆事故で自粛の動きも―子どもたちの平和学習・沖縄

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 沖縄県名護市の辺野古沖で小型船2隻が転覆し、同志社国際高(京都)の女子生徒ら2人が死亡した事故で、県内での平和学習にも「自粛」の動きが出ている。戦後81年。平和をどう学び、どう伝えるかが、改めて問われている。
 「基地問題を学ぶことは平和学習なのか」。こうした問いに、旧石川市(現うるま市)で1959年、米軍ジェット機が小学校に墜落した事故で、めいを亡くした久高政治さん(78)は「沖縄戦と地続きの沖縄の現状を学ぶことは、平和を考える上でも大事だ」と強調する。
 事故では、後遺症で亡くなった1人を含め、児童11人ら計18人が死亡し、200人以上が重軽傷を負った。久高さんは「平和と命の尊さを考えてもらいたい」との思いで、県内の小中学生や修学旅行生らに経験を語っている。
 県教職員組合などによると、墜落したジェット機が所属していた米軍嘉手納基地(嘉手納町など)を一望できる「道の駅かでな」にも変化が見られる。ある県立学校は、平和学習の一環でかでなを訪れる予定だったが、転覆事故後、管理職から「論争が起きる」と指摘があり、取りやめになったという。
 県教組委員長で、20年以上、中学で社会科を指導してきた森岡稔さん(51)は、平和学習で基地問題を扱うことを「平和な社会をつくるにはどうしたらいいかを考えるきっかけになる」と指摘。文部科学省が同志社国際高の学習内容について、教育基本法に違反するとの見解を示したことに「現場の萎縮を招く」と懸念する。
 基地は沖縄の子どもたちにとっても身近で、子どもたちの中にも、賛否を含めさまざまな意見があるという。森岡さんは平和教育の重要性について、「いいとか悪いとかじゃない。複雑な問題だが、子どもたち自身が自分なりの考えを培っていかないといけない」と力説した。 
〔写真説明〕米軍機墜落事故を語り継ぐ活動をする久高政治さん=15日、沖縄県うるま市
〔写真説明〕米軍嘉手納基地を一望できる「道の駅かでな」の展望台=18日、沖縄県嘉手納町