高市早苗首相が編成を表明した2026年度補正予算案について、政府・与党は迅速な対応をアピールするため6月中旬の先進7カ国首脳会議(G7サミット)までの成立を図る。野党は予備費積み増しでしのごうとする政府の姿勢を批判。国会での充実審議も求めており、与野党の駆け引きが展開されそうだ。
首相は25日、首相官邸で記者団に「国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう、十分な額の予備費を確保するのは適切かつ必要な対応だ」と強調した。
政府は予備費を3兆円程度積み増すことを柱とした補正予算案を6月上旬に国会へ提出する方針。与党はフランスで6月15~17日に予定されるG7サミットの前に成立させる日程を描く。中東情勢の混迷が続き、国民の不満と不安が強まる中、対策の遅れは内閣支持率に響くと懸念している。
首相は25日、自民党の小林鷹之政調会長を官邸に呼び、編成の準備を進めた。この後、自民と日本維新の会の幹事長、国対委員長らは東京都内で会談し、早期成立に努めることを確認した。予備費増額であれば質疑時間は短めにできる、との声が与党内に出ている。
サミット後の終盤国会は「国旗損壊罪」創設法案、皇族数確保のための皇室典範改正、衆院議員定数の削減など重量級の案件が重なる。首相が衆参両院予算委員会の審議について「半日ずつで」と自民側に伝えたことも考慮している。
一方、中道改革連合、立憲民主党、公明党の3党幹部は25日、佐藤啓官房副長官と国会内で面談。電気・ガス料金引き下げや低所得・子育て世帯向け現金給付を盛り込んだ緊急経済対策の実施を申し入れた。中道の落合貴之政調会長代行は記者団に、3兆円程度では不十分だとの認識を示した。
立民の水岡俊一代表は記者会見で「幅広い経済対策を考えた上での補正予算でなければいけない」と指摘した。中立公案の受け入れを迫る構えで、「しっかりとした審議時間を衆参で取ることを強く要望する」と政権側をけん制した。
参院で過半数を持たない与党は国民民主党との連携を模索する。その国民民主は中低所得の勤労世帯を対象とした5万円給付を主張。川合孝典参院幹事長は会見で補正予算への対応を問われ、「中身を見て考えをまとめる」と述べるにとどめた。
〔写真説明〕記者団の取材に応じる高市早苗首相=25日午後、首相官邸
〔写真説明〕緊急経済対策の申し入れを行う公明党の秋野公造政調会長(右から2人目)、中道改革連合の落合貴之政調会長代行(左端)、立憲民主党の杉尾秀哉政調会長代行(右端)=25日午後、国会内
〔写真説明〕記者会見する国民民主党の川合孝典参院幹事長=25日午後、国会内