トラックの“耳”がない!? 近未来のトラック! ボルボ最新FHに搭載されたカメラ監視システムとは

造船”建造量2倍”どう実現する

ボルボ・トラックセールスは、パシフィコ横浜で今月開催された「ジャパントラックショー2026」において、「ボルボ FH 4×2 トラクター」の2026年最新モデルを展示しました。

サイドミラーが全廃!? どうするの?

 欧州製「ボルボ」ブランドのトラックを日本で販売するボルボ・トラックセールスは、パシフィコ横浜で今月開催された「ジャパントラックショー2026」において、「ボルボ FH 4×2 トラクター」の2026年最新モデルを展示しました。

 同車両は、クルマで定番の装備だったサイドミラーが無くなり、それに代わる新しい装備品が搭載されていることで注目を集めました。

 トラックのみならず、クルマを運転する人なら存じているとは思いますが、サイドミラーは後方・側方確認を行うためのもので乗用車やトラックなどのクルマにとって重要な安全装置です。車線変更や右左折、後退時などに周囲の車両や歩行者を確認するために必要であり、日本では法令で装着が義務付けられています。

 ボルボ FHでは、そのサイドミラーに変わって「カメラモニターシステム」(CMS)と呼ばれる最新装備が採用されています。これは従来のミラーの代わりに、車体側面に設置されたカメラで周囲を撮影し、その映像を車内モニターへ表示することができます。近年は乗用車でもこのようなカメラ式のデジタルミラーの採用車が増えていますが、大型トラックではこのボルボ FHが国内初となるそうです。

 運転席の側面ドアの付け根付近にあったミラーとミラーステーは無くなり、代わりにその上部に横に伸びるアームが取り付けられています。アームの先端には後方に向けたカメラが取り付けられており、これが従来のサイドミラーの代わりとなります。

 また、このアームはミラーステーと同じように角度調整や折り畳みが可能で、大型ミラーが無くなったことで空気抵抗も低減され、高速巡航時の風切り音低減や燃費改善にも効果があるとされています。

カメラ式ミラーの見え方はどんな感じ?

 気になるのがカメラの視界がどうなるかですが、車内には、フロントガラスの左右のピラー部分に縦長のモニターがそれぞれ設置されており、カメラが捉えた映像はここに表示されます。この絶妙な配置により、ドライバーは従来のサイドミラーと同じ感覚で左右のモニターを見ることができます。

 また、モニターの映像は上下に分割されており、サイドミラーに近い画角と広角の映像が同時に表示され、従来のサイドミラーよりも広い視界が確保されています。さらに、赤外線技術を採用した夜間モードも用意されており、モニター下部のボタンで瞬時に切替えることが可能です。

 ほかにも最新機能が搭載されており、右左折では左右に振られたトレーラーの後端を自動で追従表示する機能や、運転中の基準線を映像にオーバーライドで表示することも可能で、CMSは従来のサイドミラーの置き換えだけでなく、より安全性と運転補助機能が盛り込まれた装備品となっています。

 また、左側カメラアームには下方確認用のカメラを追加することも可能で、これは従来のサイドアンダーミラーとして機能するもので、左側の巻き込み事故を防止するためのものです。会場で展示された車両では、運転席のセンターコンソールにモニターが1台設置され、直上から見下ろすような視点でトラック左側面が映し出されていました。

 10トン以上の大型トラックやトレーラーは車体そのものが大きいため、運転席からの死角となる空間が生じます。トラックメーカーは事故防止とドライバーの負担軽減のために、さまざまな安全装置の導入を進めています。

 自動車では当たり前の存在であるサイドミラーをCMSに置き換えたのは、単純な技術の進化だけでなく、より安全で確実なトラックの運行と物流を実現するための装備ともいえるでしょう。