台湾海峡の現状維持訴え=中国を批判、対米連携重視―台湾の頼総統

日本の貿易量の99.6%は船舶輸送

 【台北時事】台湾の頼清徳総統は就任から2年に当たる20日、台北の総統府で記者会見した。台湾海峡の「現状」を守ると訴え、「中国こそ台湾海峡の平和と安定の破壊者だ」と対中批判を展開。中国に対抗するため米国との連携重視の立場を前面に出し、日本などの「民主主義パートナーとの緊密な協力」に期待を寄せた。
 頼氏は冒頭で談話を発表し、その後に記者団の質問に答えた。
 トランプ米大統領は先の米中首脳会談後、台湾向け武器売却承認について明言を避け、頼氏を念頭に「独立しようと誰かが言うのは望まない」として現状維持を支持した。頼氏はこれを踏まえ、現状維持の方針を重ねて説明しながら「独立」への懸念払拭に努めた。米国製武器売却については「進展を望む」と語った。
 トランプ氏は「台湾を治める人物」と協議する必要性に触れた。頼氏は「台湾社会の本音を伝える責任がある」として応じる考えを示した。
 中台関係を巡り頼氏は談話で、「台湾の未来は境外勢力によって決められない」と指摘した。頼政権は中国を「境外敵対勢力」と位置付けている。中国の習近平政権が主張する平和統一に関しては「平和を装った統一」だとして拒絶した。
 さらに頼氏は、質疑応答の場面で「台湾は中華人民共和国の一部ではない」と言及。中国が提示する一国二制度による統一は「(台湾の)人々が受け入れられない」と退けた。
 台湾では立法院(国会)で多数派を形成する最大野党・国民党が対中融和的で、頼政権が拡充を求めた防衛予算案は大幅にカットされた。11月の統一地方選を前に与野党対立が激化しており、頼氏は「外部の脅威に直面するわれわれは団結すべきだ」と呼び掛けた。
 頼氏は2024年総統選で現状維持を掲げて当選しており、台湾世論は独立でも統一でもない現状維持が多数派。しかし台湾統一を目指す習政権は現状の固定化を警戒し、頼氏を「台湾独立派」と呼んで敵視している。 
〔写真説明〕20日、台北の台湾総統府で記者会見する頼清徳総統(総統府提供・時事)