被災した小湊鐵道の支援企画「小湊鐵道たべあるきっぷ」を体験。往復運賃+αでお得に沿線グルメを楽しめます。
半年~1年以上の復旧期間を見込む中での緊急企画
千葉県のローカル私鉄、小湊鐵道がピンチです。2026年8月の千葉豪雨で大きな被害を受けて復旧した矢先、9月21日からの台風25号で再び被災。全線の半分以上にあたる上総牛久~上総中野間22.7kmで法面崩落15か所、盛土、路盤の流出14か所など甚大な被害が発生しています。
「全線開通については半年~1年以上かかることを想定しております」とするなか、10月10日に同社が「緊急発売」した企画乗車券があります。それが「小湊鐵道たべあるきっぷ」です。
運行している五井〜上総牛久駅間の1日フリー乗車券と、社員がおすすめする沿線飲食店で利用できる1000円分の飲食券がセットになって2200円で発売。同区間の片道運賃は710円なので往復1420円。さらに実質780円で1000円ぶんの食事券までついてくるうえに、同社運営の「こみなと待合室」でドリンクサービス(コーヒー1杯、400円相当)まで受けられます。
小湊鐵道社員が地元飲食店に協力を要請し、「快く賛同・ご協力くださったことで、この度の発売に至りました」というものです。各所から寄せられた応援に応えるものだといいます。10月10日現在、このきっぷを利用できる対象店舗は沿線で6店舗となっていますが、今後もさらに増えていく予定とのことです。
郷愁の駅「海土有木」から蕎麦店へ
今回はそのリストの中から、ひときわ美味しそうな予感がしたお蕎麦屋さん、「鶴源(つるげん)」さんを訪問してきました。
目的地の最寄り駅は、木造の駅舎が郷愁を誘う海土有木(あまありき、市原市)駅です。列車を降り立ち、静かで澄んだ空気を胸いっぱいに吸い込みながら歩くこと約10分。国道297号(大多喜街道)沿いの「山倉坂下」交差点に面した場所に、目指す店がありました。大通り沿いなのでクルマでも立ち寄りやすいでしょう。
暖簾をくぐり店内に入ると、お出汁のたまらなく良い香りが鼻をくすぐります。使い勝手の良いテーブル席のほか、奥には足を伸ばして寛げるお座敷もありました。訪れた日はお昼時ということもあり、なんと満席の大盛況でした。
「ガッツリ」と「すっきり」幸福のループ
メニューは豊富なラインナップが並び、特にボリューム満点のセットメニューが充実しています。この日選んだのは「ミニ焼き肉丼(豚肉)ともりそばのセット(1350円)」。せっかくなので、プラス100円でお蕎麦を「大盛り」にして注文しました。
これが、きっぷを提示することで1000円引きの450円で食べられるわけです。
運ばれてきたお蕎麦はこんもりと美しい山を成しています。まずはそのまま一口いただくと、すっきりとした端正な味わいと心地よい喉越しがたまりません。特筆すべきはこだわりの「めんつゆ」です。少し甘めに仕上げられたつゆはカツオの豊かな風味がガツンと効いており、すっきりとしたお蕎麦に旨味たっぷりのつゆが実によく絡みます。
セットの「ミニ焼き肉丼」は、こんがりと焼かれた豚バラ肉に甘辛い特製タレがたっぷりと絡み、豚のジューシーな脂と香ばしさが口いっぱいに広がります。この絶妙な濃いめの味が、ご飯を無限に進ませてくれます。
パンチの効いた焼き肉丼を頬張り、カツオ出汁の香る爽やかなもりそばをすする。この「ガッツリ」と「すっきり」が交互に押し寄せる至福のループが心地よく、大盛りにしたお蕎麦も驚くほどするっと胃袋に収まってしまいました。
小旅行とちょっとしたランチを楽しむにはぴったりのきっぷでした。