改憲発議、来春「めど」見通せず=衆参自民でずれ、維新と足並み乱れ

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 憲法改正を巡り、高市早苗首相(自民党総裁)が掲げる来春までの「国会発議のめど」が見通せない。先の特別国会で、自民内は衆参両院の優先項目にずれが生じたまま。連立政権を組む日本維新の会とも足並みが乱れている。今秋に想定される臨時国会では、食料品の消費税減税や衆院議員定数の削減などが控えており、改憲論議の時間的余裕も限られそうだ。
 「劇的に(改憲の)議論が進んだ。実現に向けて役割を果たしたい」。特別国会で最後の討議となった7月16日の衆院憲法審査会の終了後、与党筆頭幹事を務める自民の新藤義孝元総務相は記者団にこう強調した。
 特別国会の衆院憲法審は終始、2月の衆院選大勝で圧倒的多数を握った与党ペースで進んだ。2026年度予算が成立した4月以降、ほぼ毎週開催され、改憲の手続きを定めた改正国民投票法が成立。これまで各党の論点整理にとどまっていた緊急事態条項の議論も、議員任期延長などについて条文形式のイメージ案が示されるなど、一定の前進がみられた。
 ただ、与党が少数の参院では状況が一変。野党の協力がなければ憲法審の開催すら困難だ。こうした中、与野党双方が喫緊の課題と位置付ける参院選の合区解消は、実現の手法で見解が異なり、会期中に結論は出なかった。緊急事態条項に関しても、独自の権能である「緊急集会」を重視する参院では、合意形成の機運が乏しい。
 与党間でも溝が目立つ。緊急事態条項を優先したい自民に対し、維新は9条改正の並行審議を譲らない。
 その9条を巡っては、現行憲法の解釈を維持したまま自衛隊明記を訴える自民と、戦力不保持を定めた2項を削除して「国防軍」創設を掲げる維新で、立ち位置が大きく異なる。維新重鎮は「合意形成には時間がかかる」と認める。
 維新はまた、連立合意書に明記した衆参憲法審への「条文起草委員会」設置を強く主張。自民は意見集約を重視し、仕組み自体にはこだわっていない。
 改憲に関する首相方針の実現には、臨時国会での議論加速が欠かせない。しかし、政権が重視する消費減税や定数削減は与野党対立が必至。自民幹部は「期限を区切って結論を出すようなことは言わない方が良かった。憲法に回す体力はない」と懸念を示した。 
〔写真説明〕取材に応じる高市早苗首相=7月30日、首相官邸