クレジットカードの決済代行サービスを手掛ける全東信(大阪市)が破産手続きを開始し、飲食業界などに波紋が広がっている。同社はクレジットカード会社からの支払いを立て替え、早期に入金することで、飲食店の決済インフラとなっていた。2018年時点で全国の約20万店が利用していたとされ、売上代金を回収できない事業者には死活問題となりかねない。
クレジットカードは、消費者が代金の支払いに使用してから、店舗側に入金されるまでに時間差がある。入金は通常月1~2回で、店舗側はその間、日々の仕入れなどに充てる運転資金を確保しなければならない。ただ、小規模な店舗は銀行などから融資を受けにくく、安定的な資金繰りが常に課題となっている。
全東信は、手数料を得る代わりに売り上げを立て替え、月6回や8回といった高い頻度で入金するサービスを展開。キャッシュレス化の流れで、カード決済の比率が高まったことを追い風に加盟店を増やしていった。
しかし、新型コロナウイルス禍で、主要な顧客である飲食店の営業が制限されると業績が悪化。スマートフォン決済との競争も激化した。24年には、飲食店の加盟店契約を他人名義で結んだとして社員らが逮捕される事件が発生し、信用不安に陥っていた。
今後は裁判所の監督の下、全ての資産を現金化して債権者に分配する手続きに入る。破産手続きの開始までに立て替え分の入金がなかった場合、従来の期限通りに受け取ることはできず、資金繰りに窮する飲食店が続出する懸念が出ている。政府系の日本政策金融公庫は、全国152支店に特別相談窓口を設置し、運転資金などを融資する制度を使って事業者を支援する。