アメリカの事故調査委員会(AIB)は2026年6月28日、OA-1K「スカイレイダーII」に墜落事故に関する調査結果を発表しました。
伝説の名前を受け継ぐ機体 墜落事故の原因はなに?
アメリカ空軍の事故調査委員会(AIB)は2026年6月28日、OA-1K「スカイレイダーII」の墜落事故に関する調査結果を発表しました。
この事故は2025年10月23日、米空軍特殊作戦軍団(AFSOC)で運用されるOA-1Kが、オクラホマシティ近郊で墜落したものです。事故機はコールサイン「ZORRO 75」で、第492特殊作戦航空団隷下の第17特殊作戦飛行隊に所属し、ウィル・ロジャース空軍州兵基地から、機種操縦資格を取得するための初期資格取得訓練(Initial Qualification Training)の飛行を実施していました。
乗員2名は不時着後に無傷で脱出しましたが、機体は電柱2本、道路標識、フェンスに衝突して小規模な草火災を引き起こし、全損となりました。損害額は約1790万ドル(約27億円)と見積もられています。
調査報告書によると、事故の直接的な原因は、訓練飛行中、訓練生パイロットが胴体燃料タンクバルブを操作するつもりで、誤ってエンジン燃料遮断バルブを作動させたことでした。
AIBによると、意図せず作動した燃料遮断バルブによってエンジンへの燃料供給が直ちに遮断され、完全なエンジン停止が発生しました。その後、訓練生は約4~5秒後に誤操作に気付き、バルブを再び「ON」に戻しましたが、そのことを教官に伝えませんでした。
エンジン出力の喪失を確認した教官は操縦を引き継ぎましたが、エンジン停止の原因を正確に把握できず、「メーデー」を宣言して緊急着陸を試みたといいます。
AIBは、事故はヒューマンエラーによるものとしつつも、コックピット内の操作系の配置にも問題があったと指摘しています。同機では、胴体燃料タンクバルブのレバー(銀色)と燃料遮断ハンドル(赤色)がコックピット内で約5インチ(約13cm)しか離れておらず、さらに胴体燃料タンクバルブは大型のパワーレバーに一部隠れて見えにくい配置となっていました。
そのため、「胴体燃料タンクバルブを操作する」という意識が先行し、誤って隣の赤い燃料遮断ハンドルに手を伸ばしてしまった可能性があるとしています。両者は操作方法こそ異なり、燃料タンクバルブは前後に動かすレバー、燃料遮断バルブは回転式ハンドルでした。しかしAIBは、訓練生がタスク過多の状態にあり、誤った操作部を正しいものと思い込んで操作したため、操作方法の違いに気付かないまま燃料を遮断したと結論付けています。
OA-1K「スカイレイダーII」は、特殊部隊の精密攻撃や情報収集、監視、偵察任務などに使用する機体として、農業用ターボプロップ機AT-802Uをベースに開発されました。愛称の「スカイレイダーII」は、朝鮮戦争やベトナム戦争で活躍し、「トイレを投下した」という逸話でも知られるレシプロエンジン(ピストンエンジン)搭載の攻撃機A-1「スカイレイダー」の名を受け継いだものです。