原発事故賠償、利払い費急増が現実に=年1000億円超試算も―国負担、東電の資金工面で・会計検査院

「6月に詰む」日本の石油状況は

 東京電力福島第1原発事故による賠償や除染、汚染土の中間貯蔵施設建設などに支障が生じないよう、政府は国債を発行し、原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて東電に資金を交付し続けてきた。国債の利払い費は東電でなく国が負担することになっているが、近年、金利が上昇。負担が急増する事態が現実化し、会計検査院は年1000億円を超える恐れがあるとの試算も示している。
 会計検査院によると、同機構は今年3月末までに政府から約11兆5000億円の資金を交付され、全額を東電に供与している。この資金は金融機関から調達しており、同月末時点の借入残高は約7兆9200億円。国が負担してきた利払い費は計508億円余だった。
 ただ、日銀は2024年、長期間続けてきたマイナス金利を解除。物価高が急激に進む中、追加利上げや財政拡大への警戒感などを背景に、国債利回りの上昇傾向が鮮明となっている。
 会計検査院が今年3月時点の短期国債の平均金利1.287%、借入残高約7兆9200億円を基に試算すると、年1019億円余の利息負担が生じる結果となった。借入残高は電気料金に含まれる「一般負担金」などで長期にわたって徐々に減らしていく計画で、金利上昇が進むほど国の負担は大きくなる。
 また、同機構は大手電力会社が納めた一般負担金から運営費を差し引いた上で残額を国庫に納付している。運営費の中には東電株を取得する際に金融機関から調達した資金の利払い費が含まれており、その額も金利上昇で急増している。運営費が増えれば、その分国庫納付できる一般負担金が少なくなり、国の借入残高が減るスピードが遅くなる恐れがある。 
〔写真説明〕大型カバーに覆われた東京電力福島第1原発1号機。事故で水素爆発が起き、鉄骨がむき出しになった=1月27日、福島県大熊町
〔写真説明〕水素爆発を免れた東京電力福島第1原発2号機。6月、プールから使用済み核燃料の取り出しが始まった=1月27日、福島県大熊町
〔写真説明〕東京電力福島第1原発3号機。今も溶け落ちた核燃料(デブリ)が取り出せていない=1月27日、福島県大熊町