田嶋氏のFIFA会長選立候補意思表明、欧州各国も速報 欧州や北中米が支持でも現職再選が有力?

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 FIFA(国際サッカー連盟)理事で、JFA(日本サッカー協会)の名誉会長でもある田嶋幸三氏は5日、FIFA会長選挙に立候補する意思を表明した。

 FIFA会長選挙は2027年3月のFIFA総会で実施予定。2026年11月18日が立候補希望者の必要書類提出期限となっている。会長選には現職のジャンニ・インファンティーノ氏がすでに立候補を表明しているが、今夏開催のFIFAワールドカップ2026でのアメリカ代表FWフォラリン・バログンへの退場処分の軽減問題や、ワールドカップ事業の子会社化および一部株式の売却がインファンティーノ会長の元で進められていたことに対して、UEFA(欧州サッカー連盟)を中心に反発が多く、会長再選への否定的な意見も出ている状況となっている。

 会長選への立候補は最低5つのサッカー協会から支援を保証するサポートレターを受け取り、11月18日までに提出する必要がある。5日のJFA理事会で田嶋氏の立候補についてのJFAのサポートは満場一致で可決したため、ここから他国の協会への支援を求めることになる。田嶋氏はあくまでもこれから各国に支援を求めるアプローチをすると理事会後のメディア対応で述べている。

 インファンティーノ会長への反発を公にしているUEFA内の各メディアも日本メディアを引用しつつ報道。フランス紙『レキップ』やイギリスメディア『スカイスポーツ』などが続々と速報を伝え、ドイツメディア『DW』は「インファンティーノのFIFA支配に新たな試練!」と対抗馬の登場を報じている。

 イギリス紙『ガーディアン』は、「広く尊敬を集める田嶋氏は、指名を得るのに何の問題もないだろう」と5つのレターについては確実に得られるだろうとし、「ヨーロッパに多くの味方を持ち、10月に東京で開催されたAFC総会でUEFA関係者と会談した」と今回の出馬表明に関連した会話があったかは不明だが、コミュニケーションを取っていると伝えた。また、インファンティーノ会長の支持を表明したシェイク・サルマン氏が会長を務めるAFC(アジアサッカー連盟)においても、田嶋氏が票を割る可能性を持っているとし、インファンティーノ氏再選に反対の立場を取るUEFAやCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)からの票も期待できるとしている。

 UEFAはインファンティーノ会長への反対姿勢を鮮明にしている一方、会長選の候補者を擁立できていない。UEFA会長のアレクサンデル・チェフェリン氏は同職継続を目指すために断念。他にもアーセン・ヴェンゲル氏やリヨンや欧米複数女子チームのオーナーを務めるミシェル・カン氏と言った名前が報じられることはあったが、進展はない。『ガーディアン』は「UEFAは何カ月も対抗する候補者を探してきたが、ヨーロッパがサッカー界を支配しているという認識に対する幅広い反感から、非ヨーロッパ出身の対抗馬の方が有利と結論付けたのかもしれない」と田嶋氏への一本化の可能性にすら言及している。

 同じくイギリス紙の『デイリー・メール』は、「イングランドサッカー協会やUEFAは候補者の擁立か日本からの候補者を支援するかを決めなければならない」として、この状況を「ジレンマ」と称している。現時点で候補者を擁立できていない点を指摘し、『ガーディアン』同様にヨーロッパの候補者では広い支持を得られないことを懸念。インファンティーノ会長に敗北することが濃厚な状況のために二の足を踏んでいると論じている。田嶋氏については「アジア勢の票を分裂させる可能性があり、ヨーロッパでも高い評価を得ている」としている。

 イングランド記者協会所属で『トークスポーツ』でプレミアリーグの解説などをするキャスターのベン・ジェイコブス氏は「UEFAは11月18日までに別の候補者を擁立する可能性もある」としつつ、「田嶋幸三氏はヨーロッパの複数連盟から支持を得ているとみられる。田嶋氏はアジアの票を分散させる可能性も高く、ヨルダンは田嶋氏を支持すると予想されている」とAFC内でも具体的な国を挙げて、票が割れる可能性を指摘する。

 このように田嶋氏をサポートする国は多いという論調があるが、それでも前提としてインファンティーノ会長の再選は濃厚とみており、『DW』は「現FIFA会長は最有力候補のまま」、『ガーディアン』も「インファンティーノ氏はカタールやサウジアラビアといったAFC主要国、アフリカ、南米諸国の支持を得ており、再選に必要な(過半数となる)106票を悠々と獲得すると予想されている」と合わせて報じている。

 FIFA会長選には現時点でインファンティーノ会長、田嶋氏のほかに元スイス代表でトッテナムやセルティックなどでプレー経験を持つ実業家のラモン・ヴェガ氏が立候補意向を表明しているが、5つの推薦協会を確保できるかは不透明。過去に複数回の会長選挙戦で出馬意向を表明しているが推薦協会を集められずに断念している。