キャンプツーリングが人気ですが、目的地になりがちな林道はゲートが開いていても自由に走れるとは限りません。神奈川県の案内を例に、誰が通行できるのか、そのルールを解説します。
キャンプ×バイク 相棒は”軽いオフ車”か”快適アドベンチャー”か
日本オートキャンプ協会が2026年9月1日に発行した「オートキャンプ白書2026」によると、2025年は猛暑やクマの出没といった環境変化があったものの、キャンプの利用者は避暑地を選ぶなど工夫を重ね、年間のキャンプ回数や宿泊数は高い水準を維持したといいます。
バイクユーザー側にも、泊りがけの旅への関心が見られます。日本自動車工業会が2026年4月に公表した2025年度二輪車市場動向調査では、今後の楽しみ方として宿泊をともなうツーリングへの意向が強いという結果が出ました。これはオンロードユーザーを中心とした傾向です。
キャンプの相棒として候補になるのが、オフロードバイク(オフ車)とアドベンチャーバイクです。
両車は見た目こそ似ていますが、オフ車は軽さや未舗装路での走破性を、アドベンチャーバイクは未舗装路への対応に加え、長距離走行や積載性を意識したモデルが多いという違いがあります。ただし、今回の調査結果から、キャンプ人気がこれらのバイクの販売を押し上げたとまでは読み取れません。
ちなみに同調査では、二輪ユーザー全体が希望する機能として「LEDヘッドライト」や「グリップヒーター」が上位に挙がりました。グリップヒーターには、手の甲を温めにくいという課題も指摘されています。
林道はいったい”誰の道”なのか
では、オフ車やアドベンチャーバイクで走りたくなる林道とは、そもそもどのような道なのでしょうか。林野庁によると、林道は森林の整備や木材の搬出などを支えるために造られた道であり、森林の整備・保全や林業の生産・流通の効率化に欠かせないものとされています。
たとえば神奈川県は、県営林道について、林業活動や森林整備に重きを置いているため、急カーブや狭い道幅、悪い舗装状況、ガードレールの未設置など、交通安全施設が十分でない区間が多いと説明しています。
このため、県営林道の利用・通行は原則として林業関係者や緊急車両などに制限されており、それ以外の車両(自動二輪や自転車を含む)が通行するには管理者の承認が必要です。
同県の「よくある質問」では、ゲートのない林道でも誰でも通行できるわけではないと明記。通行できるのは原則として林業関係者や沿線の住民、沿線にキャンプ場などがある場合はその利用者に限られるとしています。さらに、徒歩での通行は可能とする一方、自動二輪や自転車は車両にあたるため「通行できません」と案内しています。
知らないと「罰則」の対象になることも
ルールを知らずに通行すると、罰則につながるケースもあります。
神奈川県によると、2026年3月31日現在、県営林道68路線のうち21路線で公安委員会による交通規制が実施されています。こうした規制のある林道を許可なく通行すると罰則の対象となる可能性があり、通行には警察署長の許可が必要です。
また、一部のマナーを守らない利用者のために林業活動や山間地域の環境へ悪影響が懸念され、やむなく通行を制限している林道もあるといいます。東京都森林事務所も、管理する林道について時速20km以下での走行やゴミの持ち帰りなどを呼びかけています。
林道の利用条件は、管理する都道府県や市町村、路線によって異なります。ゲートがない、あるいは開いているからといって通行できると判断するのは早計です。キャンプ道具を積んで山へ向かうのであれば、まずは走る予定の林道の最新の通行規制を調べ、承認や許可が必要かどうかを確かめることが出発点となります。