暗号資産(仮想通貨)交換事業で世界最大手のバイナンスは30日、サイバー攻撃を受け、約63億ドル(1兆円)相当の暗号資産が流出したと発表した。暗号資産の盗難被害としては過去最大。北朝鮮の精鋭ハッカー集団の関与も指摘されている。巨額流出を受け、暗号資産が軒並み下落した。
バイナンスは同日、顧客保護用の基金や自社資金を用いて「全ての損失を補償する」と発表。被害拡大を防ぐために入出金を一時停止し、約30億ドル相当の資産を凍結した。初期調査によると、開発・運用を担当するエンジニアのノートパソコンがハッキングされた可能性があるという。
米ブロックチェーン分析会社TRMラボは、北朝鮮の精鋭ハッカー集団「トレーダートレーター」による犯行だとの見方を示した。被害額は、2025年に発生した暗号資産交換業バイビットでの15億ドル流出の約4倍に上るとした。
米連邦捜査局(FBI)はバイビットのケースについてトレーダートレーターの犯行と断定しており、TRMは約20分で数十億ドルが引き出された点や、あらかじめ取得した署名を用いて一斉に実行する手口などが共通していると指摘した。