M!LKの吉田仁人(よしだ・じんと/26)が、10月30日スタートのTOKYO MX新金曜ドラマ「溺愛 ~ 実は、最強ヒーロー ~」(毎週金曜23時~)で連続ドラマ初主演を務める。原作にはない要素も加わった真白という役にどう向き合い、現場で何を大事にしてきたのか。本格アクションの舞台裏とあわせて聞いた。【インタビュー前編】
◆吉田仁人主演「溺愛 ~ 実は、最強ヒーロー ~」
本作は、シリーズ累計3,500万ダウンロードを突破したコミック「実は私、溺愛されてました!? ~最低彼氏から最強彼氏へ~」(一城れもん・海咲ねむる/DPNブックス)を原作とした実写ドラマ。クズ彼氏の浮気やモラハラにより悲劇のどん底に突き落とされたヒロインを、ハイスペック年下男子が一途に“溺愛”し守り続ける、痛快な最強ヒーロー恋愛譚を描く。
吉田が演じるのは、ヒロイン・高原皐月(桃月なしこ)に密かに想いを寄せる藤崎真白。原作にはないアクション要素も加わり、皐月と同棲中でありながら日常的にモラハラを働く“クズ界のラスボス”相川樹(池田彪馬)と対峙していく。
◆吉田仁人、連ドラ初主演で大事にしたコミュニケーション
― 今回が連続ドラマ初主演となりますが、お話を聞いた時の心境はいかがでしたか?
吉田:最初に主演と言われた時は、ありがたい気持ちでした。主演に選んでいただけることはそうそうないので、すごく嬉しかったです。主演となると、やらなきゃいけないことや覚悟があると思うんです。でも、初めての人間が虚勢を張ってもしょうがない。いろいろな方に「今の大丈夫でしたか?」「こうすればいいですか?」と、とにかく質問とコミュニケーションを取りまくりました。ドシッと構えた主演になれるのは、5年後ぐらいかなと(笑)。今回は初ということを大事に、みんなとのコミュニケーションを忘れないようにしていました。
― 真白の印象と、演じてみて感じた魅力を教えてください。
吉田:主人公ということも踏まえてですが、見ている皆さんが「こうなりたい」「こういう人って素敵だな」と共感したり、憧れたり、自分の夢を投影できる部分があると思います。日々の中で誰かを一途に愛し続けることは、そう簡単にできることじゃない。その中で、あらゆる困難に対して「好きだから」「守りたいから」と、“好き”という原動力でどこまでも突っ走れるキャラクターは素敵だなと思いました。アクションシーンなど頑張らなきゃいけない点はいろいろありましたが、それは一旦置いておいて(笑)、「皐月を彼女にしたい」とかを超えて「幸せでいてもらうために自分ができることは何だろう」という純粋に好きな気持ちを大事に持っておかなきゃいけないなと。それを基準にすると、いろいろな問題もすべてクリアできるので、真白の一直線なところを1番大事に演じました。
― 吉田さんご自身と通ずる部分はありますか?
吉田:自分の原動力が何かと言われると難しいところではあるんです。ただ、「こうなりたい」「こうありたい」と1つ目標を掲げた時に、宣言するわけではないけど「こう生きたい」という決まった軸があるところは、割と自分と似ているかなと思います。芸能事務所に所属する前はダンスがずっと楽しいだけでした。でも表現で自分の探求をしていきたいと思った時や、覚悟を決めた時には、一般的に見れば犠牲に思えるようなことも、いとわない感じがあって。芯の強さは、すごく似ているなと思いました。
― 一見クールに見えますが、内に秘めているものがある?
吉田:意外と熱血…って自分で言うのはちょっと微妙ですけど(笑)、熱いものがないわけではないので、芯の部分では似ているなと思います。
― 役作りで事前に準備したことはありますか?
吉田:今回は原作にはない要素が多く入っているので、そこを成立させるために台本をとにかく読み込んだことが、1番大きな準備だったと思います。正直、超不安でした。原作ファンの方もいらっしゃいますし、そこにアクション要素が加わって、急に真白が包帯を巻いているわけですから、「ええ!?」ってなるじゃないですか。そこを成立させるためには、根幹である皐月への愛情を大きく持たなきゃいけないと思って、かなり考えました。撮影中も都度台本をチェックしながら、監督に「さっきのところ大丈夫ですか?」と確認して。「大丈夫でしたか?」が、現場で1番多く言った言葉かもしれないです(笑)。時間もタイトだったので、みんなで確認を取り合い、常に共通認識を持ちながら撮影を進めていきました。
― 監督からの言葉で、印象に残っていることがあれば教えてください。
吉田:監督が1番大事にされていたのは、真白の人間的なブレなさだと思います。1発目の打ち合わせの時から「ブレないでいてほしい」と言われていました。今回は皐月がヒロインで、樹が悪役で、みんなそれぞれ役割がちゃんとある。その中で真白が主人公として立っている理由がブレると物語が見えなくなってしまうと最初に言われて。とにかくブレないことを意識しました。台本と監督のリクエストにかなり忠実にアジャストしようとしていたので、台本を読み込んで、みんなの位置関係を確認して。自分がどう進むべきか、どうあり続けるべきかをずっと考えていました。そこは常に微調整していた部分です。
◆吉田仁人、全話分のアクションを1日で撮影
― 真白を演じる中で、難しさはありましたか?
吉田:難しかったのはやっぱりアクションシーンです。ドラマでのアクションシーンは本当に初めてで、どう映像になっていくんだろうって。事前に基礎練習と少しの組練習だけして、本番の日は振り付けを落としてもらい、その場で分割して撮っていく形だったので、自分がどう映像に映っているのかをすぐにはチェックできなかったんです。とりあえず教えていただいたことを完璧にやりきるしかなく、「大丈夫かな」という不安が少し残っていました。でも先ほど1話のアクションシーンを見させていただいたら、自分の想像を遥かに超えるものになっていて。「こんなふうに映像になるんだ」「これはすごい」とテンションが上がりましたし、さっきようやく安心しました。
― かなり激しいアクションなのでしょうか?
吉田:結構激しいです。撮影当日に振り入れをして、全話分を1日で撮り切ったんです。なかなかない工程だと思います。これに関しては彪馬もそうですが、日々振り入れをしながら自分のものにして、すぐパフォーマンスできる状態に持っていくことをよくやっているからこそできたのかなと。あと彪馬とは元から関係値があったので、間合いや呼吸もとっさの判断で合わせられるようになっていました。常に身体表現をしている職業だからこそできたことかなと思いますし、みんなで乗り越えました。
― 冒頭のアクションシーンは1日で撮影されていたんですね。
吉田:そうです。冒頭シーンは、真白と樹の関係性やどちらが優勢なのかがわかるような、説明的な要素も含めたアクションになっています。毎話あるからこそ、そこでドラマのボルテージが上がるんじゃないかなと思います。
◆吉田仁人、池田彪馬との共演の裏側
― 池田さんは出演解禁時のコメントで、吉田さんとの“ギスギスした絡み”も楽しんでほしいと話していました。昔からのお知り合いでもある池田さんと、今作で共演してみていかがでしたか?
吉田:完全に対極に位置する役柄だったので、お芝居上ではかなり対立構造があったと思います。ただ、単に対立しているわけではなく、皐月を守るための対立なんです。男同士のどつき合いというテンションではなく、ちゃんと守るものがある。悪と善がわかりやすいのはすごく良かったなと思います。撮影の時は和気あいあいとしていました。演者もスタッフの皆さんもすごくいい雰囲気で、休憩はほがらかに、やる時は集中する。そのメリハリがしっかりあったんです。アクションシーンでも「大丈夫だった?」「痛くない?」みたいに、お互いに声を掛け合ったりして。思いやりのある現場だったと思います。
― 撮影前にお二人で会話する機会はありましたか?
吉田:撮影の前に今年の「EBiDAN THE LIVE」があって、その時にご飯を食べるスペースで一緒になりました。「台本読んだ?」「頑張んないとね」みたいな、短い言葉ですが鼓舞し合う時間はありました。EBiDAN研究生の頃からわりと一緒にいたので、こういうお芝居の場で一緒になることもあるだろうと、ずっと想定はしていて。僕の共演歴でいうと武藤潤(原因は自分にある。)が濃いと思うんですけど、それと同じように彪馬とも共演できた。EBiDANの活動の枠を超えた場所でも、研究生当時のメンバーと一緒に何かができるのはすごく嬉しいです。ちゃんと育ててもらった分、しっかり発揮しようという気持ちでした。
― 撮影の合間には、どのような会話を?
吉田:お昼ご飯を2人で同じ部屋で食べるタイミングが何度かありました。そこで彪馬から「今グループがこういう感じで」「M!LKさんはどうですか?」とか、グループに対する質問とか近況報告みたいなことから、「僕、もっとこういうふうにできたらなと思うんですよね」という軽い悩み相談のような世間話をしたりしました。グループが分かれていると、問題は基本的にグループ内で解決し合うので、他のグループに相談する時間ってあまりないんです。こういうお芝居の場だからこそ、そういう話もできて、すごく真面目にいろいろなことを考えているんだなと感じました。僕が知っているのは小学生の頃の彪馬で、「まだそんな歳だっけ?」とずっと若いイメージだったんですけど、大人になったな、しっかりしてるなと。より仲良くなれましたし、僕も初心を忘れずに頑張りたいなと思いました。
― 樹は“クズ界のラスボス”と呼ばれる癖の強い役ですが、池田さんとの共通点はありましたか?
吉田:なくて良かったですよね(笑)。これに関しては彪馬と相反していると言ってもいいぐらいです。樹は“クズ界のラスボス”と言われているぐらいなので、確かにとんでもないやつではあるんです。ただ、話が進んでいくと「もしかして最初は可愛らしい人だったのかな?」と思えたりもします。あくまで皐月が今付き合っている恋人なので、「なんでこいつと付き合ってるんだよ!」とはならないんです。仕事ができるところや人間としての可愛らしさがあって、「確かにこういう樹も好かれるよね」と思える。悪いだけじゃない人間味の作り込みがしっかりしていてすごいなと。彪馬も「真白を主演として立たせるために、樹についてすごく考えていた」と話していて、すごくありがたかったですし、おかげさまで、真白がちゃんと立つようになっていると思います。“良いやつ・悪いやつ・救うべき相手”が明確にわかる相関図があるので、見やすいドラマなのかなと思います。
― 池田さんの今まで見たことのない表情も見られましたか?
吉田:睨み合うシーンも結構あって、そういう時はグッと力のこもった強い表情をしていましたね。もちろん彪馬として見ているわけではないですけど、EBiDANのメンバーがお芝居している姿を近くで見る機会はそんなにないので良かったです。
(modelpress編集部)
◆吉田仁人(よしだ・じんと)プロフィール
1999年12月15日生まれ。鹿児島県出身。5人組ダンスボーカルグループ・M!LKのリーダーとして活動中。文化放送「レコメン!」で木曜パーソナリティを務めるほか、2027年2~3月にはリーディングドラマ「ナビレラ」が控えるなど、ソロでも活躍の幅を広げている。