レアル・マドリードのフランス代表FWキリアン・エンバペが、「国民感情を害した」との理由から中国の大手食品メーカーである東鵬飲料と蒙牛乳業の2社との契約を解除された。フランスメディア『AFP通信』など複数メディアが伝えている。
今回の騒動の発端は、オンライン上で拡散された動画の中で、エンバペが中国の指導者だった毛沢東を揶揄する冗談を言ったことによるもの。
中国において、1976年に死去した建国の指導者、毛沢東をネタにした冗談は“不敬”とみなされ、依然として社会的なタブーとなっている。
番組『The Bridge』の中でエンバペは、これまで見た中で一番面白いネットミームとして、「僕に関するミームで一番気に入っているのは、中国の独裁者の顔に僕の顔を合成したものだよ。本当に笑えるし、友達との間でもよく使っているんだ」と発言。
これは、エンバペの顔を毛沢東の画像に重ね合わせたミームを指しているとみられ、このミームは、エンバペの顔を歴史上の人物の画像と合成した数あるパターンのうちの一つだった。
東鵬飲料は今回の一件を受け、「当社は国民感情を害するいかなる行為にも断固反対し、一切容認しない。本日をもってキリアン・エンバペとの協力関係をすべて終了する」との声明を発表。
さらに、蒙牛乳業も「本日をもってキリアン・エンバペとの協力関係をすべて終了する。蒙牛は、中国の人々の感情を傷つけるような言動には断固反対し、一切容認しない」との強い表現でエンバペを批判している。
この動画の真偽について、AFPファクトチェックは現時点では確認できていないという。ただ、中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では、「東鵬飲料(Dongpeng Beverage)がエンバペとの提携を終了」という話題がトレンドのトップに。
そして、東鵬飲料に対し、同社のエナジードリンクのボトルからエンバペの画像を削除するよう求める声も上がっていた。
中国最大級のサッカー専門オンラインメディア『懂球帝』は26日夜の声明で、エンバペの発言は「中国および中国国民に対する侮辱」であり、「中国のサッカーファンや中国国民の感情を傷つけた」と批判している。
なお、エンバペは今年9月、フランスメディア『レキップ』のインタビューに応じ、自身を軍事独裁者になぞらえたネット上のミームについて以下のように言及していた。
「面白い側面もある。単に楽しもうとしてやっている人たちがいることは理解できる。だが、歴史を通じて多大な被害をもたらした人物たちと重ね合わせるような側面は、決して笑えるものではないよ」
「他人を殺害したり、何百万人もの人々に悲惨な苦しみをもたらしたりしたような人物と比較されるなんて…。僕はこれまでの人生で、そんなことは一度もしていないはずだ」
現時点でエンバペ側から今回の騒動に関するコメントは出されていないが、2026年バロンドール受賞を逃したタイミングで、さらに大きな問題に巻き込まれる形となった。