新東名のさらなる6車線化を求める動きが活発化しています。静岡区間と比べても容易ではありませんが、静岡区間の「大きな実績」が認められ実現に動くのでしょうか。
6車線化対応じゃない新東名「愛知」、それでも!
愛知県と中部経済連合会が2026年9月、新東名高速の愛知県区間、浜松いなさJCT~豊田東JCT間の6車線化を国に要望しました。
新東名は静岡県内、御殿場JCT~浜松いなさJCT間(約145km)は2020年に6車線化が完了し、最高速度が120km/hに引き上げられました。また新名神の亀山西JCT~大津JCT(仮称)間でも同様に6車線化が進められており、2026年10月には甲南IC~信楽IC間の一部で片側3車線の運用が新たに始まります。こうした動きに愛知区間も続こうとしているわけです。
ただし、愛知区間の6車線化は静岡ほど簡単ではありません。浜松いなさJCT~豊田東JCTは2016年に開通した際、片側2車線の「暫定4車線」で作られ、トンネルや橋梁といった構造物は6車線化に対応していません。約55kmの6車線化は大がかりな整備が必要になります。
このためNEXCO中日本は以前から愛知区間の6車線化に向けた調査を行っています。2025年12月に開催された静岡区間の6車線化事業の事後評価では、「周辺自治体や物流事業者から、物流の効率化や生産性向上に向け、6車線化(片側3車線)を期待する声が挙がっている」と国に代弁しました。
静岡区間では6車線化によって混雑が約8割緩和され、ゴールデンウイークの所要時間も最大約23分短縮したほか、ダブル連結トラックや自動運転トラックの実証にも片側3車線が生かされているといった整備効果が説明されています。
なかでも、1台で大型トラック2台分運べるダブル連結トラックの許可件数は、2019年からの5年間で33件から414件へと急増していますが、6車線化により走りやすくなった新東名の存在がもし無かったならば、どうだったでしょうか。
これまで新東名や新名神は、「東名・名神が通れなくなった際の代替路」というダブルネットワークの役割が強調されてきました。しかし静岡の6車線化で見えてきたのは、時間信頼性を高め、物流を効率化し、大型車や自動運転にも対応するという、高速道路そのものの機能を一段引き上げる姿です。
NEXCO中日本は静岡区間の6車線化事業にかかるB/C(費用便益比)を2.7と試算。また、委員からは「日本の狭隘な国土において、片側3車線や120km/hの規制速度引き上げにより、世界に誇れる高速道路となった」という声もありました。
新東名や新名神はもともと6車線を想定して計画されたものの、コスト抑制などを背景に4車線で整備されてきた経緯があります。6車線化の議論は、得られる便益が先送りされてきたのを、本来の姿に近づける動きと捉えることもできるかもしれません。