ホルムズへ軍派遣、深まるジレンマ=対米好転期待も根強い反対論―韓国

好業績迎える日本の尖った業界

 【ソウル時事】トランプ米大統領が求めるホルムズ海峡への軍派遣を巡り、韓国政府が前向きな姿勢をにじませ始めた。米朝首脳会談の実現に期待を寄せる韓国は要求をむげにできない上、派遣に踏み切れば、現在ぎくしゃくしている米韓関係を好転させられるためだ。ただ、派遣には国会の同意が必要で、革新陣営の一部は既に反対を表明。強行すれば、支持率下落傾向の李在明政権にさらなる打撃となりかねない。
 韓国大統領府関係者は4日、「決まっていることはない」とした上で、「戦闘への参加、非戦闘、捜索に限定するなど多様なオプションがあり、総合的に検討している」と指摘。「米英仏と協議を進めている」と述べた。
 トランプ氏は8月16日、米韓合同軍事演習の縮小を指示したと明らかにした際、李在明大統領が「イランの非核化」の取り組みへの参加を断ったと不満を表明した。
 米韓間では今年に入り、韓国で大規模な顧客情報流出事件を起こした米上場の電子商取引大手クーパンの責任追及を巡って対立が表面化。また、米政府は、韓国企業のサムスン電子やSKハイニックスが米国内に半導体工場を建設するよう圧力をかけているとされる。
 一方、北朝鮮情勢では、韓国は金正恩朝鮮労働党総書記との会談に意欲を見せるトランプ氏のイニシアチブに頼るしかなく、軍派遣の要求を拒絶しづらい状況だ。
 しかし、革新系少数野党・祖国革新党の金峻亨院内代表は4日、「なぜ違法な侵略戦争への派兵を検討しなければいけないのか」と主張。国会の外交統一委員会に所属する革新系与党「共に民主党」の李奇憲議員も「米国が起こした終わりの見えない戦争に国民と軍を送ることはできない」と訴えた。
 革新陣営の一部には根強い反米感情がある上、与党は8月17日の党代表選で激しく争ったしこりが残っている。「派兵」同意案が国会に提出されれば、造反が出る可能性があり、万一否決されれば、政権へのダメージは計り知れない。李大統領は4日、市民団体関係者との会合で、「派兵の話は本当に難しい。進展していない」と述べたと伝えられている。 
〔写真説明〕トランプ米大統領(右)と韓国の李在明大統領(AFP時事)