土石流背景に気候変動=専門家「継続的努力で阻止を」―ネパール・中国で洪水

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 【カトマンズ時事】ネパールと中国を襲った土石流の直接的原因は氷河の大規模な崩落とされ、背景には気候変動の影響が指摘されている。ネパールの専門家は、近年頻発する災害の要因となっている急速な温暖化を食い止めるため「継続的な努力が必要」とした上で、国境をまたぐ早期警戒システムの確立も求めた。
 地球上で最も標高が高いヒマラヤ山脈は膨大な量の氷を蓄え、北極や南極に次ぐ「第三の極」と呼ばれる。しかし急速に融解が進んでおり、ネパール側では過去30年余りでその3分の1を失ったと国連は分析している。
 ネパールの首都カトマンズで30日取材に応じた「国立自然保護財団(NTNC)」のマニシュ・ラジ・パンデイ気候変動部門長は「気候変動がわれわれにとってどれほど深刻か、この壊滅的出来事で顕在化した。毎年同じようなことが繰り返される中で新たな警鐘だ」と語る。
 ネパールや中国、インドには決壊の危険をはらんだ氷河湖が既に47存在。将来、「ヒマラヤ地域で暮らす約20億人が深刻な影響を受けるだろう」と危惧し、「気候変動の課題に取り組むため優れたロードマップ(工程表)が要る」と訴えた。
 また、現状ではヒマラヤ地域で災害発生時、国境をまたぐ情報共有の仕組みが「非常に限られている」と指摘。土石流はひとたび起きれば今回のように崩落速度が時速180キロに達するだけに「発生直後にリアルタイムで情報を共有する必要がある」と述べた。
 一方、ネパールのカナル外相も29日の記者会見で、全世界の温室効果ガス排出量に占める同国の割合は0.01%以下だと強調。それにもかかわらず同国は「気候変動とその影響の主要な犠牲者だ」として、国際社会の協力を改めて求めた。 
〔写真説明〕30日、カトマンズで取材に応じる「国立自然保護財団(NTNC)」のマニシュ・ラジ・パンデイ気候変動部門長