【カイロ時事】米イスラエルの対イラン軍事作戦開始から28日で半年が経過した。イランの対岸に位置する湾岸諸国はこの間、米軍の基地があることを理由にイランからの攻撃にさらされ、サウジアラビアなどでは米国に依存しない独自の防衛体制構築を目指す動きも出ている。
湾岸諸国が報復攻撃の対象となったことについて、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは「(親米の)湾岸諸国が米国に戦闘終結に向けた圧力をかけること」を期待するイランの戦略の一環だと伝えている。
サウジを盟主とする湾岸協力会議(GCC)6カ国はこれまで、防衛を米国に依存してきた。地域情勢の緊張が続く中、各国は限られた軍事力を温存する必要に迫られ、イランから攻撃を受けても大規模な反撃を控えざるを得ない状況だ。
サウジは、中東随一の兵力を誇るトルコ、イスラム圏唯一の核保有国であるパキスタンに接近。7日には両国と共同防衛協定を締結した。クウェートも27日、パキスタンと類似の協定を結んでおり、専門家は「対米国依存を見直す動き」と分析する。
一方、イランの主要貿易相手国であるアラブ首長国連邦(UAE)は19日、イランとの貿易や金融取引を全て停止したと発表した。米側と調整の上、厳しい対応を取ったとみられる。UAEは2020年、トランプ米大統領の仲介でイスラエルとの関係正常化で合意。イスラエルからは最近、同国独自の防空システムを調達している。
オマーンとカタールは、米国とイランの緊張緩和に向けた仲介外交に活路を見いだそうとしている。特に原油輸送の要衝ホルムズ海峡を挟んでイランの対岸に位置するオマーンは、封鎖状態にある海峡の開放に向けたイランとの交渉に臨み、存在感を示している。
〔写真説明〕共同防衛協定の締結に際し、会話を交わす(手前左から)トルコのエルドアン大統領、サウジアラビアのムハンマド皇太子、パキスタンのシャリフ首相=7日、サウジ・メッカ(AFP時事)